法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

愛犬の治療

 我が家の愛犬は,2月18日で満9歳になりました(2月22日のブログ「我が家の愛犬の誕生日」に書いています)。人間の年齢で言ったら50歳過ぎたくらいになります。この間,病院で血液検査やレントゲンなどの検査(人間の生活習慣病検査のようなものです)をしてもらったのですが,肝臓機能の数値がすこし高い以外はいたって健康とのことでした。ただし,歯石が溜まっているので取っておいた方がよいとお医者さんから言われました。5年前に一度歯石を取る治療を受けていたので,ちょうどよい機会でもあり,歯石を取ってもらうことにしました。

 私も半年に一度歯医者で定期検診をしてもらい,その都度歯石を取ってもらっています。歯石をそのままにしておくと,歯周病歯槽膿漏になって歳を取ると歯が抜けやすくなってしまうとのことでした。そのため,定期的にとってもらっています。犬は,自分で硬いものを齧って歯石などを取っているようですが,歳と供に硬いものをあまり齧らなくなります。以前は,椅子の足や壁などを齧っていて往生したことがありました。最近では,固いのですが食べられるガムのようなものをたまに与えて,歯の掃除をするようにしていますが,それでも少しずつ溜まってくるようです(人間でも毎日歯ブラシしてもどうしても少しずつですが,歯石が溜まります)。

 人の場合は,歯医者に行って小型のリュータのようなものでガリガリ歯石を削られ,口中血だらけにして歯石を取ってもらいますが,犬の場合はどうしてもジッとしていることができないので,麻酔をかけて行います。それも,部分麻酔だと暴れる可能性があるので,全身麻酔をかけて行います。歯石を取るだけですが,結構大掛かりな手術となります。麻酔をかける12時間前から食べ物を与えることができません。昨日の10時に麻酔をかけるので,その前日の夜10時以降食べ物を与えませんでした。大体,10時過ぎには寝てしまうので大丈夫なのですが,時々トイレに行くので,その時ご褒美をあげています。以前は,食糞することがあったので,それを辞めさせるために,トイレに行く度に煮干しなどをあげていました。そのおかげで今は食糞することはなくなりましたが,その代わりトイレに行くと私の前に座ってご褒美をくれとせがまれます。一昨日は,特になかったのでそのまま寝かせました。昨日の朝の食事は当然なしなのと,トイレに行っても何ももらえないので,少し不機嫌なようにみえました。ゴメンねと言いながら,治療終わったら美味しいものまたあげるからといって別れました。

 治療は無事終わって,麻酔からも醒めたのですが,座っているだけでトロトロしており,起きていなくちゃ駄目だと思いながらも瞼が段々降りてきて,身体が傾いていきます。それでも必死に起きていようとするので,ゆっくり横に寝かせてやりました。昨日の夜まで食事をあげられなかったのですが,ようやく今朝食事をあげることができました。いきなり沢山あげると吐いてしまう可能性があるので,固形のドッグフードを少なめにして,ゲル状の栄養剤を多めにあげました。よほどお腹がすいていたのかあっという間に食べてしまいました。娘からは,水分補給用の栄養剤ももらったりして,昨日よりは元気になっていました。それでも,私が出かける時にはいつもは玄関近くまで来てくれるのですが,今日は椅子の上で寝ていました。早くいつもの調子に戻ってもらいたいと願いながら大学に向かいました。

Web会議

 最近は,会議というとほとんどオンラインによるものです。昨日の講演もWeb会議でした。このコロナ禍で大学の授業,教室会議,教授会,学協会での委員会などほとんどが対面ではなく,Web会議となっています。大学は,もっぱらZOOMを用いた遠隔授業となっています。研究室のゼミなどもZOOMで行っています。一方,大学においても重要会議(学部長会議,大学院での研究科長会議など)はMicrosoftのTeamsを用いています。ZOOMの場合,セキュリティーに問題があるとのことで,重要案件や個人情報を取り扱う案件ではさすがにZOOMは使えないということらしいです。学協会の委員会でも企業が多く参加している委員会では,TeamsやWebexなどが使われています。しかし,学科の教室会議ではZOOMを用いています。結構個人情報などを扱っているのですが,大丈夫なのかなと思いながら,一番手軽なZOOMを使っています。

 どのオンラインでもそうなのですが,通信環境というかネット環境が整っていないと,途中でフリーズしたり,画面共有ができなかったりします。一番多いのは,近接して複数のデバイスからオンラインに入っている時にハウリングなどを起こすことです。近接していなくても,Teamsなどでは複数の参加者がマイクをオンにしているとハウリングしたり,エコーのような残響音が酷かったりします。かといって,発言しようとしてミュートになっているのを忘れて延々としゃべり続けているというのもよくあります。また,複数の人がビデオをオンにしていると画面の共有が上手くいかなかったり,フリーズしたりします。

 最初の頃は,このようなことが起こっても皆さん慣れていないので仕方がないかくらいで済ませていたのですが,最近ではWeb会議に慣れてきたこともあるのでしょうが,聞き取りにくかったり,画面の共有がなかなかできなくなったりすると,画面も音声もオフになっているので,他のことを始めたりするようになります。特に,自分に関係ない議題などでは音声を小さくしてほとんど聞いていないということもしばしばあります。さらに,Web会議の方が対面で行うよりも会議時間が長くなっているように思います。このあたりがWeb会議の功罪なのかもしれません。

 昨日の会議も14時から始まって17時過ぎまで行いました。まあ,対面の時もそれくらいの長さなのですが,実質の議論や審議をしている時間はすごく短くなった感覚があります。それと,昨日の会議はTeamsで行ったのですが,発言者のハウリングがひどくて何を話しているのかほとんど聞き取れないというのがしばしばありました。私の前に発表される予定の先生もなかなか画面が共有できなくて,結局順番を入れ替えて私が先に発表することになりました。対面の時は,講演料をもらっていたのですが,Web会議になってなくなってしまったようです。他の会議でもこれまで謝金をくれていたものがあったのですが,Web会議になってなくなってしまいました。資料準備など結構大変なのですが,オンラインになったというだけで,それらがなくなってしまうのはどうにも解せません。大した額をもらうわけではないのですが,やったことの対価はちゃんとしてほしいと思います。そういえば,学協会の次年度の予算も遠方から会議出席される委員の旅費が不要になったということで大幅に削られました。それ自体は良いのですが,その余った予算を委員会などで依頼されて実施している実験や解析などの研究費などに充ててもらいたいものです。このコロナ禍ですごく損している気分になっているのは私だけでしょうか。昨日の講演会といい,何かスッキリしない気分です。対面の時には会の後,研究会の費用で懇親会もあったのですが,これもなくなってしまっています。年配の委員の方たち(セメント化学やコンクリートの分野で重鎮と言われる著名な先生方)は,懇親会がないのが寂しいと毎回,会の最後でいわれます。次回は7月なので,その時は対面で研究会が実施されればと思っています。

講演会の資料

 先週末から,某研究会の総会で研究成果の報告(講演)をしてもらいたいとの依頼を受けていたものの作成を行っていました。今回,報告(講演)依頼された内容は,もう何年越しとなっているのか忘れてしまいましたが,少なくとも4年以上前の実験と解析について,ずっと引きずっているものです。実験結果については,既に講演もしており,学会等にも投稿しているのですが,実験結果から得られた算定式を用いて実構造物などに適用可能かどうかの検証が中々進みませんでした。毎年,大学院生に解析をしてもらっているのですが,データを入力して結果を出すのでなく,ユーザーサブルーチンを少し書き換えるコーディングをしなければならず,いままでやってもらった学生には結構ハードルが高かったのかもしれません。今年度頼んだ大学院1年生のFさんは,比較的プログラムのコーディングなどが得意だったこともあって,ようやく同定解析の可能性が見えてきました。一応,実験結果と解析結果のひずみ挙動と応力挙動がほぼ一致する結果が得られました。ただし,同定させるために,実際のコンクリートの力学特性やクリープ特性と大きく乖離しているので,このあたりもう一度リーズナブルな説明ができるように,修正した各係数の見直しをしていく必要があります。それでもようやくどうしたら見直ししていったらよいかの足係りができたので,この成果は非常に大きいと思っています。今日は,セメント化学やコンクリートの日本で著名な先生方の前で説明しなければならないので,どんな質問が出てくるのか今から心配しています。

 今月は,このような研究成果の報告(講演)がいくつもあって,報告書を何本も書かなければなりません。以前は,自分で実験や解析をしていたので,報告書の作成自体はそれほど苦ではなかったのですが,今はほとんど学生に実験や解析をしてもらっているので,その結果を解読するのに結構時間を要しています。今回の解析結果についてもまず送ってもらったExcelシートの内容を理解するまでに丸1日かかりました。自分で頼んだ内容を思い出すのに半分くらいかかっているのも事実です。結果が見えてくると,今度はどうしてここを変更しているのだろうという疑問がでてきます。今回は,どういう風にしてもよいのでまずは実験結果と解析結果を合わせてもらったので,これはこれで凄いのですが,相手に説明するにはどうしてそこをそんな風に変更したのか説明できない状況です。コンクリートの場合,強度や変形特性,温度特性,その他の収縮特性が色々交互作用して複雑な挙動を示すので,一つどこかをいじれば,他のところが変化してしまって合わなくなってしまうという具合です。今回得られた結果は,コンクリートの常識からいったら?というところがいくつかあります。今後は,それを常識的な範囲にした時,他の要因に対してどのように影響するのかという感度解析をしていく必要がありそうです。またまだ道は長そうですが,やっと道の先に光が射してきたように思っています。本当は,Fさんにそのあたりも続けてしてほしかったのですが,事情があってこれ以上対応できなくなってしまいました。これを引き継いでくれるS君に頑張ってもらうしかないと思っています。彼は,なかなか優秀なのできっとこの辺りクリアしてれると思っています。

You Tube

 以前は,週末に定期的に家族と外食していましたが,このコロナ禍でほとんど外食することがなくなりました。そんな中,Uber Eatsなるものを妻が試すようになって,結構お取り寄せが増えました。先週の火曜日の祝日は,私自身4年生と3年生の引継ぎなどに付き合って大学にいましたが,妻と娘は妻の実家で義父と義母の世話をしていて,夕飯の用意ができなかったからといって,近くのネパール料理のお店からUber Eatsに頼んで取り寄せしていました。確かにここのお店のカレーとナンは美味しいので別に良いのですが,ちょうど帰り道にもあたるので,私が取ってきたほうがよっぽど早いように思うのですが,無料券があるとかないとかで,頼んだようです。

 昨日も,午後仕事をしていたら連絡が入って,娘がお好み焼きが凄く食べたくなったので,今度は帰りに私にお店に寄って取ってきてもらいたいと言われました。西調布の駅のすぐ近くなので,帰りに乗る電車を決めて,指定した時間にお店に行けるようにしました。地元では結構人気のある店で,昨日も受け取りに店に入ったら満員でした。このコロナ禍でも流行っている店にはちゃんとお客がいるのだとあらためて思いました。このお店,値段もリーズナブルで結構おいしいので,流行るのは分かるような気がしました。

 妻と娘は,結構注文していて,両手一杯に抱えるようにして店を出ました。流石にこれを家まで持って帰るのは大変と思ったのか,車で駅まで迎えに来てくれました。とりあえず,車に乗せて家まで帰りました。全部で10品くらいあって,流石に食べきれなかったですが,どうもそれを見越して翌日のお昼の分も頼んでいた節があります。持って帰った鉄板焼きやお好み焼きなどを食べながら,娘が撮り貯めたビデオを観ようとしたところ,妻が最近You Tubeで海外の街歩きを観るのに嵌っていて,昨日もパリの街歩きのYou Tubeを観ることになりました。最初,ラファイエット(パリの有名なデパート)のデパ地下歩きをしていて,パリでいろいろ食材を買った話で盛り上がりました。その後,別のを観ようとしたら,次のYou Tubeで私がパリで住んでいたところの地下鉄の駅が突然出てきました。そのまま観ていると,私が普段買い物していたムスターファ通りやアパートのすぐ近くのカフェまででてきました。妻と娘も2週間ほど私のアパートの近くのホテルに泊まっていたので,3人とも大興奮で,あの店がどうだったとか,この店であれを買ったとか,食事そっちのけでテレビの画面を見入っていました。私のアパートからシテ島まで歩いて20分ほどで,You Tubeもちょうどその道を辿るように歩いてくれたので,さらに大興奮状態となりました。

 パリにいた時,週末になるとその通りを歩いていたのですが,看板や銘板などほとんど意識しないで歩いていたので,You Tubでアパート(パリの5区にいて,まさにカルチェラタンの場所に住んでいたことになります)の周りで著名な人が住んでいた話などをしてくれて,あらためて結構すごいところに住んでいたと思いました。地球の歩き方だけでは知り得ない地域密着の情報満載の番組でした。行ったことがあったり,住んだことがあったりした場所が出てくると自然とテンションが上がります。美味しい食事とテレビの番組で盛り上がった週末の夕食でした。

論文博士

 一昨日の教授会内で,私の研究室で論文指導したM氏の審査請求論文に対する論文審査委員会が開催されました。論文審査委員会の委員長は,研究科長が通例なることから,自分が指導した学生の審査請求論文について自分で説明して教授会のメンバーに審査結果に対する審議をしてもらうというなかなかややこしいものでした。今回の論文審査委員会では,課程博士が1名,論文博士が2名の計3名の審査を行いました。M氏については,公聴会(2月14日のブログ)で簡単ですが,説明しているので,ここでは彼の審査請求論文の内容を簡単に説明したいと思います。

 論文のタイトルは,「コンクリートのひび割れ制御材料の効果定量化とその評価法に関する研究」というものです。論文の概要としては,収縮ひび割れを制御するための材料面からの対策とその制御効果について,現状での定性的・経験的評価ではなく,それらの的確な材料選定を行うとともに,それらに対して定量的にひび割れ抑制効果が確認できる材料設計を行うことを目的としたものです。具体的な研究内容としては,膨張材,収縮低減剤及び低発熱・低収縮型セメントを用いた各種コンクリートの材料特性モデル及び評価方法を構築・提案するとともに,その実効性の検証を行ったというものです。さらに,熱帯環境下でのマスコンクリートに対するフライアッシュセメントの適用性ならびに有効性について,温度ひび割れ及びDEFひび割れに対する抑制効果の観点から検討を行っています。

 研究の結果から,収縮低減剤及び膨張材に関してはひび割れの分散性を評価することができる独自の一軸拘束ひび割れ試験を考案し,その実験結果及び解析結果から膨張材に関して定量的に評価できることを示しています。さらに,膨張材や収縮低減剤を用いたコンクリートについて,種々の相対湿度下における乾燥収縮ひずみを測定し,それらの影響について検討し,収縮低減剤・膨張材を用いたコンクリートと普通コンクリートでほぼ同等であることを示しています。また,膨張コンクリートマスコンクリートに適用した場合の温度ひび割れ制御効果を定量化するための材料特性モデル及び応力評価法について,線膨張係数が極めて小さいインバー鋼材を用いた独自の一軸拘束試験を種々の温度条件下で実施し,温度依存性を考慮した材料特性モデルを構築するとともに,膨張コンクリートの応力評価法を提案しています。さらに,マスコンクリート内部を想定した温度履歴下での適用性について検証を行い,その妥当性を示しています。他方,セメント・混和材・骨材の種類など使用環境などの条件が従来と異なり,知見・データの蓄積が少ないコンクリートの温度ひび割れリスク・抑制効果について,実験・解析の両面から精度良く予測できることを示しています。

 今回審査請求された論文は,彼の10年以上にわたる研究成果が凝縮された内容といえます。論文審査委員会では,異議なく本審査請求論文に対して博士の学位に値すると評価されました。論文博士は,課程博士に比べてハードルが高いのですが,学位取得は彼の地道な努力の賜物だと思っています。今回の博士取得は,M氏が研究者としてようやくスタートラインに立ったとも言えます。これからさらに自らの研究内容を深めていかねばなりません。彼は,現在シンガポールにいるので,一緒に祝杯を挙げることはできませんが,このコロナ禍が収まって無事帰国した時は,お祝いの会を是非催したいと思っています。

本の想い出

 数日前から,妻が家の本棚の読んでいないで埃被っている本処分して欲しいと言われました。家には,今のところ私の趣味である模型関係の本はほとんど置いておらず,三十年以上前から気になった本や毎月発売された「日本の国宝(全117冊)」,「日本の名城(70冊くらいあったと思う)」,「世界の美術館」などが置いてあります。私の趣味の本は,自分で作った納屋に置いていたのですが,何年か前の大雪で屋根が壊れ,とりあえず大学の研究室に避難させています。いずれ再建するか,レンタルスペース借りてプラモデルと一緒に保管しようと思っています。本棚にある本は,確かに10年以上読んでいないものばかりですが,毎月楽しみにしながら読んでいました。これらの本から,国宝と呼ばれる美術品がいろいろな分野にわたってあるだということを初めて知りました。私なぞは,どうしても寺社仏閣や仏像などに眼が行ってしまうのですが,書籍(巻物など)や絵画,刀剣,武具などの方が圧倒的に多いことも知りました。そんな想い出がいろいろ詰まっている本なのですが,ただしばらく読んでいないから捨てて欲しいというのは,あまりに理不尽だと思っています。妻は,本は借りて読むものと思っています。私は,本は買って読むものであり,読んだ後も手元に置いておくと決めています。もちろん,捨ててしまうのは簡単ですが,暫く読んでいない本もたまに開くと,本の内容というよりも読んだ当時のことが思い出されます。

 今の私の研究室は,本とプラモデルに囲まれています。私自身すごく居心地の良い空間です。たくさんのプラモデルの箱が積み上げられていますが,それを眺めているだけで心が癒されます。本当は,どんどん作っていきたいのですが,なかなか造る時間が取れずにいます。たまに箱を開けて,どのように組んでいくのかなどを想像するだけで幸せになります。残念ながら,妻にはこのような気持ちが全く分からないようです。即物的な考え方なのかもしれません。使っているものもどんどん新しくしていきます。私は,まだ使えるのにと思うものがたくさんあります。まあ,確かに私はなんでも取っておくタイプで,妻はなんでも捨ててしまうタイプのようです。ただし,部屋にはできるだけものを置かない主義かと思っていたのですが,最近はお気に入りのミッフィーをいろんなところに飾ってみたり,私が彫刻家のはしもとみおの作品が好きだと話すと,個数限定のチェス盤をたまたまネットでみて,これをリビングに飾ったらよいと思わないと言ってきたりします。何十万もすると思うし,抽選になるのでまず無理だと思うと話すと,趣味だったらお金関係ないんじゃないなどと言ってきます。私が払うものだから,一向に構わない(自分はまず出さない)と思っている節があります。

 結局,本は捨てることにしました。一旦思い込むと執拗にそのことばかりいうので,いい加減こちらもうんざりしてくるからです。本には可哀そうですが,私の手元から手放すことにしました。本だけでなく,いろいろなモノの裏側にある思い出とか記憶は,手放してしまうとしばらくは覚えていても消えてしまいます。早く研究室以外で自分の居心地の良い場所を作る必要があります。大学にもいつまでもいられるわけではないのですから。

次年度の卒業研究テーマ

 昨日,毎月行っている院生ミーティングを行いました。2月は新旧の院生が入っての合同のミーティングを行っています。4月から社会人となる大学院2年生のMさんと大学院に進学するS君とT君が一緒に参加する最初で最後のミーティングとなります。ミーティング自体は,卒業研究の進捗状況の確認,学協会への投稿,発表の確認,受託研究の進捗状況,新規受託研究の追加,在庫確認(セメント,ひずみ計などのセンサー類)などを行っています。2月は学協会への投稿,発表の切り替え時期なのですが,このコロナ禍の影響で,海外投稿や発表が延期されたり,オンライン開催となってしまったりして,取りやめたものもいくつかありました。それでも,国内外で主だったところには投稿することを確認しました。学生にとっては,学会発表で地方に行けたり,海外に行けたりするのは魅力的ですし,モチベーションも上がると思うのですが,オンラインでは中々そうもいかず,こちらも積極的に進めることもできません。私の研究室では,修士の間に1回は海外発表するように言っていて,多くの学生が英語による論文作成及び海外での発表を経験しています(英語で書くこと,発表するのが嫌だといって出さない学生ももちろんいます)。なんとか今年の後半までに新型コロナがある程度収まってくれればよいのですが,海外渡航ができるようになるのは難しいと思うので,去年修士に上がった学生は海外発表できないまま修了してしまうことになります。それでも,修士1年のKさんは頑張って英語の論文作成をしています。すでにオンライン開催が決まっているにも関わらずです。せめて国内の学会発表位とも思っているのですが,日本コンクリート工学会の年次大会はすでにオンラインによる開催を表明しており,土木学会の年次大会もそのようになる可能性が高いようです。昨年,どこにも行けない状況だったので,ダムの現場に連れて行きましたが,今年もそういったことを考えたいと思っています。

 昨日のミーティングでは,後半に私から次年度の卒業研究のテーマ案を説明しました。物性関係は,今年度からの継続でTSTMを用いた鉄筋コンクリートのひび割れ進展評価とあらたに無拘束供試体に埋め込む鉄筋の径を変化させて,自己収縮ひずみの抽出と熱膨張係数の評価が可能かどうか検討してみようと考えています。また,これも今年度からの継続なのですが,鉄筋コンクリートのひび割れ発生時強度(温度ひび割れ指数)とひび割れ幅との関係について検討してみようと思っています。新規とは言えないのですが,温度依存性を考慮した力学特性の検討を次年度やるつもりでいます。また,今年度から始めたクリンカ細骨材を用いた諸検討の一環として,高炉スラグ高含有セメントと組み合わせた時のひび割れ抵抗性への影響について検討したいと思っています。一昨年から始めた乾燥収縮についても温度・湿度の変化が湿度変化,ひずみ変化に及ぼす影響についても検討する予定です。

 以前,温度ひび割れ指数算定のための簡易評価式を作成したことがあるのですが,推定精度が今一つだったので,精度向上を目指した簡易評価式の検討も考えています。耐久性関連は,いずれも今年度からの継続となり,電磁波と赤外線を用いたコンクリート内部欠陥の推定について検討を行っていくつもりです。どれもまだ頭の中でのイメージだけなので,新4年生にもわかるようにしようと思っています。