副都心線(モリナガ・ヨウのぶらっとぉ土木現場)
JR新宿駅南口工事,JR中央線高架化工事の取材を終えて,2006年11月に建設中だった13号線(現在の副都心線)の取材をしました。渋谷から池袋までの区間(現在は和光まで完成しています)での工事であったので,取材も渋谷と池袋(池袋まで到達していなかったので,その手前まで)の2箇所で行うことになりました。
一度に両方取材するのは大変だったので,まずは池袋方面から行うことになりました。都電荒川線の雑司ヶ谷駅の近くに確か工事事務所があって,そこでモリナガさんと待ち合わせしたと思います。東京メトロの方から工事の概要を聞いて,いつものヘルメット,トラチョッキ,長靴を身に着けていざ現場へと向かいました。
立坑を降りて,シールドトンネルの中に入っていったのですが,先端まで約1kmあって,ただ黙々と歩いていきました(特に説明もなくひたすら歩きました)。案内していただいた所長さん,ご自分のペースですたすたと歩いていくものですから,モリナガさんが立ち止まって写真を撮るのもままならず(私もほとんど写真を撮ることができませんでした),何か罰ゲームのような移動となりました。また,所長さんの歩く速度も速かったので,ふたりともシールドマシンに到達するまでにへばってしまいました。
工事も最盛期というかそろそろ到達点(池袋)に近いので,作業員の方たちも手慣れた感じで仕事をされていました。ちょうどエレクタを使ってセグメントの取付をしているところだったので,その作業自体はとても面白いものでした。モリナガさんは,セグメントを見るのが初めて(普通の人は,セグメントが何段も積み上がっている状況なんて見る機会がないでしょうし,シールドが完成した状態(駅のホーム)を見ても,どんな形状をしているかなんて興味がないと思います)だったので,いたく感激されていました。また,トンネル内のベルコンで排土が高速で移動していく様にもいたく感激されていました。
地下鉄のシールドなので,そんなに大きいわけではないのですが,先の方までずっと続いているのを見ていると,色々現場をこれまでもみてきましたが,あらためて土木の凄さというかスケールの大きさを感じました。雑司ヶ谷から池袋へはちょうど池袋に向かって90度近く左に曲がっていく区間なので,セグメントをどのように組合せて曲げていくのか聞いた記憶があります(シールド工事を取材したり見学したりすると必ず同じことを聞いているような気がします。同じようなことを聞くといえば,電車の車両は真直ぐで車輪の乗っている台も真直ぐなのに,どうしてカーブが曲がれるのかという質問をいつも鉄道関係者の方にしてしまいます。学習能力がないのかもしれません)。
シールドマシンから雑司ヶ谷の出口までの帰路もやはりすごく速いスピードで黙々と歩きました。モリナガさんは,長靴のサイズが合わずに足を痛めてしまい,おまけに水虫まで移されたとその後ボヤいておられました。結構ハードな取材の割に,やはりモリナガさんの印象が薄かったのか,土木学会誌の誌面には今回の取材のところがこの後行った渋谷駅の1/6くらいのスペースでしか描かれていませんでした。