法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

首都高速中央環状線

 大橋ジャンクションの取材では,中央環状線のシールド工事も併せて行いました。まだ大橋ジャンクション中央環状線は繋がっていないので,大橋ジャンクションの現場を一旦出て,山手通りの方に歩いて行って,シールド工事をしている立坑から階段を下りていきました。シールド工事は,これまで何度も見ていますが,立坑内が黄色い照明となっているのは初めてでした。ちょっとSFっぽい雰囲気(宇宙船の内部っぽい感じがしました)を醸し出していました。

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立坑内の黄色い照明とトンネル内の白色照明のコントラスト

 一方,シールドトンネル内は普通の白色の照明だったので真に秘密基地内の巨大通路のような感じがしました。また,地下鉄の副都心線に比べて直径が一回り以上大きくて,ザ・土木という様相でした。まだ掘進がそんなに進んでいなかったので,シールドマシン部分まで歩いていきました(副都心線のように延々と歩かずに済みました)。シールドマシンは,配管などがゴチャゴチャしていて,まるで潜水艦の中のような雰囲気で,メカ好きなモリナガさんや私にとってはたまりませんでした。掘削自体その時行っていなかったので,マシンの先端付近や推進ジャッキの近くまで行くことができました。本当は,エレクタによるセグメントの嵌め込みの様子などを見たかったのですが,かえって動いていなくてマシンの先端付近をじっくり見れたので,良かったのかもしれません。

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シールドマシン部分(このゴチャゴチャ感がメカ好きにはたまりません)

 シールドマシンを見た後,立坑に戻ったのですが,そこにはちょうど大橋ジャンクション側の掘削予定断面が丸く型取られていました。首都高の方から,現在掘進しているシールドマシンが到達側に達すると,そこでマシンを180°回転させて大橋ジャンクション側に戻ってくるようになっているそうです(道路は上下線が別々(並走と上下)に掘進しているためにそのようなことができるそうです)。地上に出ると周りは暗くなり始めていました。また,同じところに出たはずなのに,自分がどこにいるのか一瞬分からなくなりました。結構長くトンネル内にいたのと,トンネル内を行ったり来たりしたので,時間感覚と方向感覚が少し狂ってしまったようです。

 普段通っている道の下には巨大迷路が縦横に走っているのだというのを実感できた今回の取材といえます。それが淡々と進められているのを間近でみると,土木のすごさというか素晴らしさをあらためて感じさせられました。この土木の魅力を多くの人に伝えたいという思いで始めたこの企画ですが,少しずつですが,伝わっていっている気がその時しました。ひとえにモリナガさんの筆力のおかげなのですが,土木に従事していない人の目線もそうさせているような気がします。この後もいろいろな現場に行くことになるのですが,そのあたりはまた別の機会に書きたいと思います。