法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

この橋の向こう(国際会議(番外編),感動編)

 マルパッセダムからアヴィニョンのホテルに戻った3人は,遅い夕食を取ります。ホテルの近くのビストロ(例えば,ル ビストロ ドゥ ムーラン等が候補かなと思います)で地元の料理を食べながら,真理子は幼い時の震災の記憶などの身の上話を始めます(できれば回想シーンのようなものを入れながら)。それが土木に進む原点であることを柳沢教授と秀樹さんに話をします。その後,高校生の時街で偶然出会った女性土木技術者の姿に憧れて(1カットでよいので,その時の画を入れたいです),将来は建設会社に進むことを心に誓ったことと,そのためにこの大学の土木工学科に進学したことなどを話します。二人はずっと何も言わず真理子の話を聞きます。真理子の話で終始した食事も終わり,ホテルに戻って,別れ際に柳沢教授は“明日のTGVは夕方だから,午前中真理子君にもう一つ見せたい場所があるんだが,行ってみるかね”と聞かれ,真理子は“はい”と返事をして,それぞれの部屋に戻ります。

 翌朝,少し早めの朝食を取って,そのままチェックアウトし,秀樹さんのレンタカーに荷物を入れながら,真理子は秀樹さんに“今日はどこに行くんですか”と訊ねるが,秀樹さんは“着いてからのお楽しみだよ”と言って行き先を教えてくれない。そのうち,柳沢教授もホテルから出てこられて,荷物を車に積み込む。車は,西の方向に向かって走り出す。約40分走って,広い駐車場に到着する。そこには,大きな看板に“Pont du Gard”と書かれていた。フランス語が分からない真理子には,どういうものか全く想像がつかなかった(今の子たちはすぐにググってしまうと思いますが,海外でそれができなかったというような設定にしたいと思います(ちょっと苦しいかな))。たくさんの車が駐車している様子から,有名な観光地であることは間違いないと真理子は思うのですが,自分がフランスのどのあたりにいるのかもわからず,皆目見当がつかない様子が撮れればと思います。柳沢教授と秀樹さんは以前来たことがあるようで,さっさと目的地に向かって歩いていくのを真理子が慌てて追っかけていきます。

 大きなゲートの手前で切符を購入し,それをスタッフに見せて,川の横の道を下っていくと,目の前に石造りの大きな橋のようなものが見えてくるのを真理子が驚きとともに感動したような表情で見つめます。柳沢教授が“これはポン・デュ・ガールといってローマ時代に建設された水道橋なのだよ。現存するものとしてはスペインのセコビアやトルコのイスタンブールなど数か所しか残っていないんだ。2000年近く前に建設されて今も残っているということもすごいことだが,この水道橋はユダスというところから,ニームの街までの全長50kmにも及ぶ導水路の一部で,1mあたり約2.5mmの勾配を持たせて建設されているというその測量技術と建設技術にも驚かされると思わないかね。古代ローマ人の土木技術には敬服するよ。真理子君にもこの土木技術の素晴らしさを知ってもらいたいと思ってここに連れてきたのだよ。我々も後世に誇れる土木構造物を残していきたいと思わんかね。”と話すのを聞いていた真理子は,“本当にスゴイと思います。こんな素晴らしいものを見せていただきありがとうございます。”と昨日と違って,感動の涙を流す真理子を写しながら,マルパッセダムのように,上空にカメラを上げていき,真理子たちとポン・デュ・ガールを写していきます。

 次回は,パリに戻って帰国するまでの短い時間のパリ観光について書きたいと思います。国際会議編は結構なボリュームになってしまいました。やはりフランスロケは敢行したいですよね。他にもいろいろ見どころというかネタはあるのですが,これだけで映画が終わってしまいそうなので,このへんにしておきます。