法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

モリナガ・ヨウの土木現場に行ってみた(札幌編)

 土木学会誌での“モリナガ・ヨウのぶらっとぉ土木現場”の企画は,以前も書いたようにモリナガさんの住まいと私の勤務している大学のキャンパスが近かったので,二人でブラブラ歩きながら,近くの道路工事や側溝の敷設,電柱の設置工事などをイラストと文章にしていきましょうというものだったのです。しかしながら,当時の編集委員長から,土木学会誌は全国の会員の方たちが読むものなので,日本全国を対象にしなさいといわれました。それならば二人で行きたかった北海道に行ってみましょうということで,編集委員である寒地土木研究所のS女史に北海道で何か土木工事やってないですかと聞いたところ,たくさんあるけど,今札幌市内でアンダーパスの工事(交差点の一方を地下化して,交通渋滞の緩和を図る工事)をやっているので,それの取材をしたらどうかと言われ,二つ返事でお願いしました。この時は,土木学会のN課長が別件で同行できなかったので,二人での取材旅行となりました。我々は,取材前日の夕方に札幌入りして,S女史と一緒に食事することとしました。S女史が折角北海道まで来たのだからおいしいお魚たくさん食べていってくださいと言われ,地元の人がよくいく魚料理の居酒屋さんを予約してくれました。その店は,いきなり巨大な船盛りが出てきて,とても3人では食べきれないくらいのお刺身が載っていました。烏賊は活造りで一杯丸ごとあったので,ゲソの方は天婦羅にしてもらったりして,何とか船盛りを平らげましたが,その他のメニューを頼むことなく(〆も頼まなかったと思います),満腹状態でお店を出ました。二人でホテルまで夜の札幌をぶらついていると(食後の腹ごなしも兼ねて),明日取材する現場近くを通りかかりました。その現場を煌々と照らす雪洞のような照明が目に飛び込んできました。私自身初めて見る照明機材で,モリナガさんと二人して興奮して眺めていました(翌日,現場の方に伺ったところ,数年前から導入しているもので,これまでの照明は眩しすぎることがあったのですが,この雪洞型の証明は,間接照明のようで周囲を柔らかく照らしてくれるので,評判がよいとのことでした)。今まで見たことがなかったので,北海道から導入を始めたようです。新しい商品は試験的にまず北海道で出して,好評だった場合には全国展開するというのを以前誰かから聞いたことがあるので,この雪洞型の照明もそういうルートなのかと思っていましたら,数年後には東京だけでなく,地方でもよく見かけるようになりました。あの都市伝説的な話もまんざら嘘ではないのかもしれません。

 翌日,S女史の案内でアンダーパスの現場の取材をしました。工事自体は開削でカルバートを構築するものでしたので,特に目新しいものではありませんでしたが,鉄筋の組立状況から,型枠設置状況,コンクリートの打込み状況,養生状況及び脱型状況がパノラマ的に見られて面白かったです。ここで,モリナガさんが創世川自体は今どうなっていますかと質問されて,現場の方が黒いパイプを指さして,創世川の水はあの中を流れていますと言われて,モリナガさんはとても驚かれていました。その話を聞いて,その流れ込んでいるところが見たいということになって,創世川の水が黒パイプに流入している場所までわざわざ車で連れて行ってくれました。そこを見たモリナガさんは,納得したように頷かれていました。

f:id:hoseiconcrete:20200915193815j:plain

道路の真ん中を流れる創成川

 帰りは,札幌空港でじゃがポックルを探して走り回りました(嫁さんからのミッションで,今話題の(どこにも売っていない)じゃがポックルを購入してきてほしいというもの)。ようやく空港の一番端の店に何箱かあって,それを全部買い占めて,モリナガさんにも一箱だったか二箱だったかを手渡しました。そのモリナガさんは,実家に毛ガニを送られていました。こうして,初めての北海道取材は終わりました。モリナガさんと私はこの取材で味をしめて,この後3回も北海道取材を行いました。それについては,また別の機会に書くことにします。