法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

博士論文

 現在,私の研究室には課程博士が3人,論文博士が3人の計6人の博士課程の学生がいます。学生といっても全員社会人の方たちですので,社会人ドクターと呼んでいます。課程博士の3人とも3年生(一人の方は6年目で,他の2人は3年目です)ですので,11月には本論の提出が控えていて,現在論文作成中といったところです。論文博士の3人は,1人の方が既に本論のドラフトがほぼ出来上がって,先日も内容についてコメントを返したばかりです。この方は,現在海外に赴任されていて,直接のやりとりはほとんどメールとなっています。今週Zoomでの打合せをするつもりでしたが,なかなか時間がとれず来週にまた日程調整して行うつもりでいます。もう一人の方は,既に本論も大体できているのですが,内容として結構前の研究をまとめたもので,ほとんどが公知の事実となっているので,新しい知見が少ないと1年前に学科に申請した時に言われ,提出を見送った経緯があります。今年1年で最近実施した実験や実構造物の計測結果の内容を盛り込んだ内容のものをまとめた論文を本日持ってこられて,打合せを行いました。以前のものは既往の研究のボリュームが多かったので,そこをスリム(内容をもっと整理して簡潔にとりまとめてもらうようにしました)にしてもらうとともに,共同で行った研究について章立てしてもらい,あらたに加えてもらいました。また,査読付きの論文も3編あらたに加わりました(一編はまだ採択が決まっていないので,これが決まればほぼ完成になると思います)。最後の一人の方はまだ本論が完成していないので,その完成を待っているところですが,ここ数年進捗がなく,少し心配している状況です。

 皆さん仕事を抱えての研究と論文執筆,研究成果の投稿など寝る間もないくらい大変ではないかと思います。私も仕事をしながら自分の博士論文を書いていたころは,まだ子供が小さく(二人とも小学生),平日はまだ子供が寝ている間に会社に行って,子供が寝た後で家に戻り,論文執筆を行っていました。会社でも業務終了後に論文をまとめたりしていました。朝は7時過ぎに会社に行って,始業前に少し論文の整理をし,業務が終わった後,夜中まで論文執筆をしていました。休日もほとんど会社で仕事していましたが,週末だけはできるだけ子供と接する時間を設けていたように思います。あの頃は,そんなにきついと思っていませんでしたが,今思うとよく身体壊さないでやれたものだと思います。私は,論文博士でしたので,大学から博士に相応しいかどうかの課題(外国語,一般教養,専門)を出され,その作成も結構大変でした(本論書くくらいのボリュームが求められました)。しかしながら,この大変な思いと引き換えに博士(工学)という称号が与えられたわけです。この時の苦労というか大変だったことが,その後の研究活動や執筆に凄く役立っていると思っています。自信がついたというか,自分が研究し,まとめた研究分野は他の誰よりも良くわかっているという自信ができたからだと思っています。

 課程博士と論文博士の6人の社会人ドクターの彼らが私と同じ気持ちになってくれることを期待しています。