法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

成瀬ダム(番外編)

 現場での見学を終えて工事事務所に戻り,現場事務所の食堂で昼食をいただきました。現場職員だけで100名以上の大現場なので,いろいろな厚生施設が整っています。多くの職員の方が単身赴任なので,現場事務所の裏に宿舎も完備しています。他のJV(骨材製造の大成JV等)や協力会社も含めると東成瀬村の人口の1/3近い人が増加したことになるそうです。昔,ダムの現場が始まると町が一つできると言われましたが,まさにそのような状況になりつつあるように思います。私がいた現場でも,赴任当時は宿舎(ワークステーションという5階建ての鉄筋コンクリート造の建物で,JVと協力会社の事務所と宿舎を一つにした建設省パイロット事業の一環でしたが,建設省の職員は一緒でなく,労働も勤務時間帯も異なる作業員と一緒だったので,大変な思いをしました)の前に雑貨屋があって,歩いて30分くらいのところの加計の街(メインストリート)に何軒かお店があるくらいだったのですが,赴任後2年目には宿舎と街の中間地点にコンビニエンスストアができて,物珍しかったのかもしれませんが,山向こうから車で40分以上かけてくるお客さんが結構いました。工事前は,飲み屋と居酒屋が2軒,バーのような店が2軒だけだったのが,私が東京に戻る頃には3倍以上の店ができていました。パチンコ屋もできたりして,本当に街ができていくような感じがしました(ダム完成後数年して行ってみましたが,ほとんどの飲み屋は潰れていましたし,パチンコ屋も潰れていました)。

 少し話が逸れてしまいましたが,現場事務所にはその他ゴルフの練習ができるところやフィットネス用具,麻雀部屋(私もいろいろダムの現場に行きましたが,必ず麻雀部屋があります),娯楽室と称してバーのような施設(私がいた現場にもありました)がありました。昼食は娯楽室の畳の場所でいただきました。おかずは牛のすき焼き風煮(牛丼の具みたいなもの)と小鉢,サラダ,御飯とお味噌汁でした。何しろ御飯が凄く美味しくて(当然秋田こまちの新米です(と思っています)),丼一杯食べてしまいました。食後,所長以下現場の方々に御挨拶して現場を離れました。帰りは,こちらに来たら是非寄ってみたかった胆沢ダムに行きました。5年前に完成したばかりの国内最大級のロックフィルダムです。学生たちにも完成したダムを見せたいと思い,ちょうど帰りの途中にあったので,寄ってもらった次第です。ダムの天端に立ってみるとその巨大さに圧倒されました。特に,非常用洪水吐の大きさはこれまで見てきたロックフィルダムをはるかに超えるものでした。残念ながらコロナ禍の影響でダムカードの配布はされていませんでした。

 胆沢ダムを出て新幹線の水沢江刺駅まで送ってもらいました。JR水沢駅から少し離れたところにある新幹線の駅で,駅構内に小さなコンビニと蕎麦屋があるだけでした。少し早く着いたので,コーヒーでもと思ったのですが,それさえありませんでした。駅の待合室には,地元出身の大瀧詠一氏のアルバムや作曲したレコードなどが飾ってあって,入線時の音楽も大瀧氏の君は天然色でした。2日間の成瀬ダムの見学もあっという間に終わってしまいました。来年あたりまた行きたいと思っています。