法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

この橋の向こう(新入社員編(トンネルグループ3))

 トンネルグループでの研修も残り僅かとなり,課長の計らいで現在工事が行われているシールドトンネルと山岳トンネルの2現場を見学させてもらうことになりました。真理子にとっては,工事中のトンネル現場を見るのは初めてだったので,楽しくてしようがないといったところです(この雰囲気を真理子の表情からうまく撮れればよいかなと思います)。見学は,都内のシールドトンネル現場と岩手でのトンネル現場に決まりました。シールドトンネルの現場は,日帰りで行けますが,山岳トンネルの方は盛岡から車で2時間ほどの場所にあり,とても日帰りは無理なので,現場での見学後に近くの宿で一泊することになりました。

 シールドトンネル工事は,最寄りの駅からバスで10分ほどの場所にあるので,新巻さんとは現場事務所前で落ち合うことになりました。真理子には,2つのトンネルの設計資料などが渡されて,しっかり予習しておくように課長から言われました。見学だからといって,遊びに行くわけではないのだから,どんな工事なのかをしっかり頭の中に叩きこんで,しっかり見てくるようにともいわれました。真理子自身もシールド工法についての資料を探して読んだり,山岳トンネルの工法であるNATM工法についていろいろ調べたりしました。設計部には,小さいながらも図書のような部屋があって,これまでの工事記録や関連書籍,雑誌などがあり,自由に閲覧できるので,真理子は時間が空いた時に足繁くそこに行って,調べたり,必要と思われるところをコピーしたりしました。その様子を新巻さんと課長が見ていて(どんな場面を見ているのかを設定するのは難しいですが,例えばフロアの端の方に図書区画があると設定して,そこにしょっちゅう真理子が行く後ろ姿を二人が見ているという場面設定でどうかなと思います),課長が“彼女は,どんなことにも精一杯打ち込むタイプだね。順調にいっている時は見ていなくても大丈夫だろうが,何かに躓いた時にどう対処するかだろうね。現場は,本に書いているようにはいかないし,設計通りなんて当然行かないわけだから,どれくらい臨機応変に対応できるか楽しみでもあるよ。今の子は,結構打たれ弱いし,まだまだ我々の業界は男社会で女子には結構きついところもあるから,彼女がそのあたりどれくらい打たれ強いか見ものだね。シールドの所長の飯田さんは,ソフトタッチな感じの人だから,特に厳しいことは言わないだろうけど,Tトンネル(岩手の山岳トンネル)の石田所長は厳しい人だから,結構きついこというと思うよ。それにあの名物工夫の笹沼さんがいる現場だから,女子を工事中のトンネルに入れるなんて何考えてるんだといって怒り狂うんじゃないかな。まあ,これも彼女にとっての通過儀礼のようなものだから,新巻君しっかりフォローしてやってくれよ。まだ,他の新人には直接会って話していないけれど,彼女結構見込みありそうなので,今回の見学をうまく乗り越えてくれれば,我がグループに来てもらえるように部長に話すつもりでいる。”と新巻にいいます。新巻も“彼女,結構芯が強い感じがするので,今のへなちょこ男子よりもよっぽど見込みありますよ。かく言う私も新入社員の時は,へなちょこで課長にしょっちゅう怒られて,一時本当に会社辞めようかと思ったくらいです。でも,そこで踏ん張れたのは,先輩社員の方たちから,皆そんなものだからすぐに慣れるよと言ってもらったからなんです。どこまでフォローできるか分かりませんが,励ましくらいはできると思いますよ。”と課長に笑いながら話ます。そんな話を二人がしているのも知らずに,資料を読み漁っている真理子の姿をアップで撮りたいと思います。最初の現場見学まで後3日です。