法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

突然のテレビ取材(その3)

今日は,昨日の続きで,放送内容とフジテレビからも取材を受けたことを書きます。

家に帰って,家族に“今日,テレビ朝日から取材を受けて,明日の朝少し放映されるよ”というと,“それじゃあ,知ってる人にLine しなきゃ”と早速,妻はいろいろな人に連絡していました。

翌日は,大学に行く用事があったので,とりあえず番組の録画予約だけして出かけました。お昼近くに,今度はフジテレビから大学の事務の方に電話がありました。事務の方から,テレビ局の方に連絡とってもらいたいというメールが届いたそうです。フジテレビの担当者の方に連絡すると,明日(2月13日)の情報番組で,寒波の影響による建物の崩落というテーマで放映したいので,本日中に話を聞きたいという内容でした。その日は入試試験で私がいた実験施設のある小金井のキャンパスには部外者が入校できなかったので,その旨をテレビ局に伝えて,午後市ヶ谷田町の方に移動することとしました。夕方近く市ヶ谷田町の私の研究室に取材するスタッフの方たちが来て,インタビュー形式での取材となりました。聞き手は,テレビの番組でよく見るキャスターの方でした。何故,寒いと外壁が剥がれるのかということを,凍害を受けた建物などの写真を見せながら説明を行いました。1時間以上インタビューが続き,取材が終わりました。その日も結局,キャンパス間の移動や取材でほとんど仕事ができませんでした。夜帰宅して,妻に今日の放映内容を聞くと“出演時間は思ったよりも短かったわね。友達からは,インタビューしていたところの後ろにかわいい猫の置物があったと言っていたわ。それと,学術書の脇にあなたの趣味の模型の本が並んでいたわね”等,放送内容と関係ない話ばかりでした。確かに,関係者でなければ放送内容自体面白いものではないので,そんな話しか出てこないのかなと思いながら,建物の安全性等にもう少し意識を持ってもらえればとも思った次第です。

“今日は,フジテレビの情報番組からのインタビューを受けた。明日,放映されるらしい”と伝えると,“すごいじゃない。フジテレビにも出るんだ”といって,妻はまたいろいろな人に連絡していました。結局,フジテレビの方はインタビューの聞き手であった記者がインタビューの時にいくつか見せた写真を使って,私の話した内容を掻い摘んで説明するのみで,最後に私のコメントと称して写真入りのフリップが出ただけでした。テレビを観ていた妻からは“だから,フジは駄目なのよね。内容もテレビ朝日の二番煎じだし,大事なこと全然伝えていないのだから”とかなりご立腹の様子でした。私は,記者が説明した直後にメインキャスターが“寒さでコンクリートが剥がれるの?いつも上を向いて歩いていなきゃならないのかな”などとコメントしたところ,すかさず隣の東大の建築学科を卒業している女性キャスターから“構造物の点検をもっと強化しないと”というもっともなコメントをしていたことに,少し救われた気持ちになりました。しかしながら,もっと安全ボケしている国民に対して,建物の安全性の重大さやメンテナンスの重要性をコメントして欲しかったというのが正直なところでした。

今回の2局の放映は,繁華街での外壁落下という点と,鉄筋の腐食膨張や施工不良によるコンクリート片の剥落と異なり,温度というこれまで注目されていなかった環境条件によって生じた点にマスコミが飛びついたことで,私のようなところにコメントを求めてやってきたのだと思いますが,国民への安全ボケへの警告や,メンテナンスの重要性をアピールするまでに至らなかったのは残念でした。余談ですが,放送のあった翌日に新宿区が歌舞伎町などの外壁について職員が目視や聞き取りによる緊急調査を実施しているニュースをみて,これが一過性のもので終わらなければよいがと思いました。

 今日は,ここまでとします。明日は,放映その後についてお話したいと思います。