法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

研究紹介 電磁波レーダ+AIでコンクリートの内部の欠陥を見つける(その1)

こんにちは.

B4の藤原です.今回は私が行っている研究について,(主に大学1から3年生向けに)簡単に紹介します.

 

私は,コンクリートの内側に入ったひび割れを,コンクリートを壊すことなく見つけるための研究をしています.

コンクリート内側に入ったひび割れは,当然,外観から見つけることはできません.では,どのようにして見つけるのでしょうか.今,一般的な点検で使われている方法は打音検査法といって,コンクリートをハンマーでたたいて,異常な音がしないかどうか確認する方法です.

もし,近くにひび割れの入ったコンクリートがあれば,ひび割れていない箇所と,ひび割れている付近を叩いて音を聞いてみてください.

……違いが分かったでしょうか.多くの人はどこも同じ音のように聞こえると思います.そうなのです.この方法は,聞き分けるのに熟練した技術が必要になります.エキスパートにしかできないのです.こういった問題点を解決するために,私は,電磁波レーダという機械を使っています.

 この写真は,電磁波レーダを使って現地調査をしているところです.

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現地調査の様子






 
この機械は,CT検査のように,電磁波を送信して,受信した反射波の強さの違いから,コンクリート内部の様子を知ることができます.例えば,下の写真を見てください.

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電磁波レーダの出力画像

上に凸の形が見えると思います.これは鉄筋です.これを見ると誰でもどこに鉄筋があるのか分かる素晴らしい技術です.


このように,電磁波レーダによって,鉄筋を見つけることができることはわかりました.では,最初の目的であったコンクリートの内側に入ったひび割れは見えるのでしょうか.下の写真を見てください.片方はひび割れの入っている画像で,もう一方はひび割れのない鉄筋の画像です.違いは判るでしょうか.

 

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ひび割れのある画像とない画像

現在,この違いを自動的に区別するための研究を行っています.どうやって,見つけるのか,興味がある人はコンクリ研まで!