法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

この橋の向こう(オープニング)

 昨日書いたように,一枚の写真からエンドロールの映像が浮かんだのですが,その後はどのようなオープニングにしたら,観る人たちの心をグッと掴めるのか考えていました。そのような時,土木学会誌で今回主査を担当した特集記事のコラムのひとつに”あなたは横浜のあの橋と同じときに生まれた”という文章を読むや否や,頭の中でこの言葉がヘビロテして,いきなりオープニングのシーンが頭の中に浮かび上がってきました。

 浮かび上がった映像は,ある地方都市(母の生まれ故郷である東北地方)で母(真理子)が運転する車の助手席に娘(結衣)が乗っていて(家族は東京に住んでいて,母の実家に用事(父の法事か何か)で実家の方に来ている),大きな川に架かる斜張橋を渡っていると(車の中の音楽はあいみょんかな),母親が少し斜め上を見ながら(斜張橋の主塔とケーブルがフロントガラス全面に映っている),”この橋とあなたは同じ年なのよ。そして,この橋もあなたも私のお腹を痛めたとっても愛しい子なの”といいながら,橋を渡っていくと,オープニングタイトルが出て,その後20数年前の真理子の高校3年生から大学入学までの回想シーンへと画面が切り替わっていくというものです。かなりベタな入り方ですが,橋と子供の繋がり,そこに至る経緯を少し匂わせたオープニングではないかと自己満足しています。

 実は,高校から大学入学のシーンに切り替えるか,東日本大震災(特集を担当していた時は阪神・淡路大震災をイメージしていました)で,子供の時に被災し(できれば小学校低学年くらい),インフラがズタズタになった状況を目のあたりにし,それが復興されていく様子(橋や道路が新しく建設されていく状況等の映像をどんどん切り替えていきながら)を見ているうちに,自分もいつかこんな仕事に就きたいと子供心に漠然と思いながら,東北の片田舎で大きくなっていく様子にするか迷ったのですが,これを後半にもっていって,自分の生い立ちと何故土木を選んだのかを問う(何か仕事で壁にぶつかって思い悩んでいる)そんなシーンに挿入してもよいのかなと思ったりもしました。

 高校3年生の進路相談(三者面談)で,母親からは成績優秀なんだから,医学部か薬学部に進みなさいと言われ,学校の先生からもこれからは女性が活躍する時代だし,学年でトップクラスの成績なのだから医者になったらよいと勧められるシーン(某大手予備校のインタビューからイメージしたものです)となります。その場では,何となく母親と先生に押し切られて生返事(一応その方向で考えたいとかなんとかムニャムニャと答える)をして三者面談を終えます。なんとくモヤモヤしたまま母親と帰宅し,家族との食事シーンに変わります(お約束のシーン)。父親,母親,弟(もしくは妹,弟の方がよいかなと思っています)と食事していると,母親が今日の三者面談について話を始める。ずっと黙って話を聞いていた父親が「お前は将来何になりたいんだ,医者を目指しているのか?」と問いかける。その時,自分の中にあった思いを話し始める。「人の命を預かる医者の仕事も確かに面白いと思うけれど,もっと多くの人たちの普段の生活のためになる仕事,橋や道路を造る仕事がしたいと思っている。そして,あの大地震で住んでた街が無くなってしまった。地震津波が来てもあんな風にならない街や建物を造っていきたい」という自分の思いを吐露する。

 それを聞いていた父親は,「人生は一度きりなんだから,自分のやりたいことをやったほうがよいと思うよ(これもお約束のセリフ)。」と優しくいう。それを聞いた母親が「何しているかわからないようなおじさんたちがつるはしやスコップ持って仕事している中で仕事するつもりなの?それに,あんな危ない場所で仕事するつもりなの?」と言い,「あなたは優秀なんだから,わざわざそんな仕事選ばなくてもいいじゃないの」と言い放つ。食事の場面での険悪なムードが流れたままで,画面が変わって受験を迎える時期まで移る(このあたりはどうしていくかまだモヤモヤしています。土木を目指すかどうかの大事な場面なので,できれば,食事の場面の後,欝々とした状態で街を歩いていて,工事現場でテキパキと指示する女性土木技術者(現場監督)と出会い,思わず声をかけて色々話を聞く場面を入れたいと思っています。なんとなくこれもお約束のシーンかもしれません)。

 今日は,ここまでとします。次回は真理子がどんな大学に進むのか,はたして希望通りの仕事につくのか書いていきたいと思います。