法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

この橋の向こう(大学院編)

 土木学会誌の特集号の編集後記では,大学院に進学するという設定にはしていませんでした。建設会社に入って,現場に行きたかったのに,内業(設計部門)に配属されて落ち込むものの,真理子の前向きの思考ですぐにバリバリ働き始めて,その後結婚,現場への転勤と続いていくのですが,そのあたりのことは次回以降に書くとして,今日は新設定である大学院進学への決断と大学院での生活(時間が無くなってしまったので,この部分は明日以降に書きます)について書きたいと思います。

 普段,学生にも大学院への進学を勧めています。ただし,大学の教員になった頃はそれほど熱心に学生に大学院進学を勧めていませんでした(私が来た頃は,就職氷河期でもあり,就職できそうな学生にはどんどん勧めていたくらいです。また,一研究室一学年最大3人という学科内の暗黙のルールもありました。どういう経緯でそのようなルールができたかは知りません)。それでも毎年,2人~3人来てくれていたので,出来の悪い(就職できなかったので,とりあえず大学院に進学という学生)のは,いろいろ就職先探して何とか就職させていました。その後も暫く就職難が続いて,来たい学生は大学院進学したらよいということにしたら,一学年で5人とか6人とか来るようになって,一時期学部生と院生の数が変わらないくらいになりました。その後は,就職自体好転したことと,私の研究室自体の人気がなかったので,大学院に進学する学生が激減し,辛うじて毎年1人来てくれるような状況(まるで一子相伝のような研究室になってしまいました)が続きました。

 話が逸れてしまいました。真理子の大学院進学までのシーンを書きたいと思います。真理子は,大学入学当初から大学で多くのことを学んで早く社会に出て,色々な建設に携わりたいと思っていました。一方,真理子の大学では工学系特に建築,土木工学科は8割以上大学院に進学しており,真理子の周りの同級生たちも入学当初から大学院に行くのは当たり前というように考えていました。しかしながら,真理子自身は大学院の進学は考えていませんでした。

 人一倍頑張り屋の真理子は,昨日書いたように研究室配属時の4年生の段階で成績が学年トップの設定にしています。真理子は,どんな研究室に進みたいかというよりも実務に近い研究をしている教授のところに行こうと考えていました。同級生の多くは,街づくりをしたいとか,公務員になりたいからとの理由で,計画系の研究室を希望していました。真理子が行こうとしている研究室は,教授の指導が非常に厳しくてガンガン研究をさせ,教授自体も偏屈だという噂のあるところで,当然学生にも不人気で希望しているのは真理子ともう一人元気だけはあるけれど,成績はパッとしない男子の2人だけでした。真理子は,むしろ厳しいところでしっかり鍛えてもらった方がよいと思っていました。

 希望している研究室の教授の講義は,学生から言わせると非常に難しい内容で,試験もどんどん落とすので,楽をしたい学生にとっては避けて通りたい授業でした。また,教授は講義中に寝ている学生の頭を叩く(映画だとクレームが来るので,大声を出して驚かすみたいなのにしないと駄目かもしれません),他の講義の宿題(レポート)などをしている学生のレポートを取り上げて破いてしまう,スマホなどをいじっている学生のスマホを取り上げて,二度と私の講義に来るなと教室から追い出してしまう,また友達同士でしゃべってる学生に対して,しゃべりたかったら,外でしゃべれと言って教室から追い出すということをするので,必須の授業以外の選択科目の受講者はほとんどいないという状況でした。しかしながら,教授は講義中にいろいろな工事の裏話や面白いエピソードを話してくれたり,自分の講義内容が現場でどんな風に使われたり,役に立つのか説明してくれたりするので,真理子にとっては興味のある講義ばかりでした(やはり,映画には一癖も二癖もある指導者が登場して,主人公の成長に大きく影響する役どころが必要で,この教授も真理子のこれからの人生に大きく影響する人物の一人として描きたいと思っています)。

 思ったよりもいろいろ書きたいことが出てきてしまったので,続きはまた明日書きます。それと,学生から私の講義の演習の解答についていろいろ質問がきていて(明日試験なので皆焦っているのでしょう。こちらもチェックしているつもりでも,同じものを張り付けたり,入力データ入れ間違えたり結構しています),その対応に追われてしまって今日はこれ以上書けそうもありません。