法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

発表用ツール

 昨日は,プログラミングのジェネレーションギャップの話を書きましたが,今日は卒論審査や学会発表に使用したツールについて書きます。今は,プレゼンといえばパワーポイントですが,私が学生の時はまだパソコン自体普及し始めたばかりで,そのような便利なソフトはありませんでした。発表には,透明なOHPシートというものに,例えば論文の図をコピーしてOHP(オーバーヘッドプロジェクタ)という投光器のような機械の上にシートを置いて,スクリーンに映し出して行っていました。コピーは白黒なので,OHPに写したときにグラフなどは非常に見づらいものでした。そこで,OHP用のマジックペンというのがあって,それでグラフの線などなぞって色を付けました。パワーポイントなどに比べて今見ると結構汚いのですが,いろいろ工夫しながら色付けしたものが,スクリーンに映し出されると何故かとても感動したのを覚えています。OHPで映し出されたグラフの点などを指し示しながら発表するのですが,指し棒などで示すとその棒の影がスクリーンに映ってしまって,何処を指しているのかわからなくなるので,OHPシートよりも硬い透明なアクリル板を切って指し棒を作製したりしました。OHPですが,いわゆる投光器なので30分~1時間くらいずっと付けっ放しにしておくと球が切れてしまうことがあって,発表途中に球が切れて突然スクリーンが真っ暗ということがよくありました。あと少しで発表が終わるという時にこれが起こると気持ちも萎えてしまいます。OHPシートの取替えも基本的に自分で行わなければならず(修士くらいなると,学部生に取替えをやらせるのですが,息が合わないのもあって,発表している途中でシートを取替えてしまうなんてこともよくありました。また,順番通りに置いていたシートを落としてしまって,発表がぐちゃぐちゃになったこともありました。しかし,OHPによる発表は手造り感満載で結構作るのが楽しかったのを覚えています。

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OHPシート

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OHP用ペン

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OHPによる発表風景

 建設会社に入社して技術研究所に配属されたので,部署内のプレゼンや会社での研究発表会,学会発表など年に何回もプレゼンする機会があり,その都度OHPを作成していました。その頃作成したものを確かどこかにしまってあるので,今度探してみようと思います。初めての国際会議の発表では,スライドを作成しました。当時バブルの頃だったかもしれませんが,フルカラーでスライドを作成し,1枚に1万円くらいかけたような気がします。全部で40枚くらい作成したと思います。原稿を作成して,それを印刷会社に渡してスライドにしてもらうのですが,スライド自体写真のネガみたいなものですから,スペルなどが間違っているとそのスライド自体使えなくなってしまうので,何度も確認しました。しかし,結構やり直しをした覚えがあります。発表用スライドだけで何十万円も使ったのではないでしょうか。発表自体は,数百人以上入る会場で行われ,大スクリーンに私のスライドが映し出された時(緊張してほとんど会場の方を見ることができず,スクリーンに映し出された画面を説明するので精一杯でした),凄く綺麗な画面だったのでそれだけで達成感というか満足感で一杯でした。この時の発表スライドは記念にとってあります。今から30年くらい前の話です。その後は今皆さんが行っているようなパワーポイントによるプレゼンになっていきました。発表に用いるツールが変わっても自分の成果を多くの人たちに伝える時の緊張感だけは何度しても全然変わっていません。