法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

パリでの生活(その19)

 夕食の献立については,結構悩みました。日本だったら,コンビニでお弁当でも買って食べれば済んでしまうことですが,パリでは基本的に日本のようなお惣菜弁当は見当たらないので,どうしてもサンドイッチ(バケットにハムやチーズを挟んだもの)になってしまいます。中華のテイクアウトも結構ありますが(アパルトメントの近くだけで,3軒ありました),結構いい値段がするので利用は最初の頃だけでほとんどしませんでした。日本料理の店は,中華料理(アジア料理といった方があっているかもしれません)の店よりも多くて,徒歩5分圏内で7~8軒あったと思います。歩いてすぐのところには,居酒屋風日本料理屋がありましたが,しかし,結局一度も利用しませんでした。日本料理の店では,焼き鳥と寿司と天ぷら(フリッター?)が定番で,焼き鳥はタレしかなく,それもアジア(タイやベトナム)風の味付けっぽい感じがしました(店の前を通って匂いを嗅いだ限りですが)。寿司の場合,基本的に向こうの人は生ものを食べないので,メニューの写真を見る限りサーモンのみで,巻物と握りはありますが,見た目あまり美味しそうには見えませんでした。お店で食べるとよい値段がするのですが,スーパーなどでは料理の素材が日本よりも安いものが多く(特に牛乳,バター,ヨーグルトなどの乳製品,卵,ハム,ソーセージ,肉類),それらを買って家で料理することがほとんどでした。そうはいっても,私のメニューのレパートリーはほとんどなく手の込んだものは作れないので,基本的には肉を買ってきて焼くか,パスタを茹でて味付けして食べていました。毎日,ステーキを食べていると飽きてしまう(そんなに上等な牛肉ではないので,相当味付けをしっかりしないと食べられない代物)ので,よく買っていたのは,牛ひき肉を固めたパティ(ハンバーガーに挟んでいるものより肉厚のもの)でした。また,肉を食べる時はニンニクをたっぷり入れて焼いていました。最初は,スーパーで生のニンニク(Ail)を買ってみじん切りにして入れていたのですが,スーパーに顆粒状のニンニクが売っていたので,刻む手間が省けるのと,そんなにニンニク臭くないので,もっぱらそれを愛用していました。味付けは,塩コショウで食べる時に醤油をかけて食べていました。こうすると結構食べられました。

 パスタは,基本的にトマトソース味,チーズクリーム味,ヘペロンチーノ風味の3種類をローテーションして作っていました。トマトソースは,スーパーで売っているパスタ用のものが甘かったので,以前書いたと思いますがもっぱらピザにつけるトマトソースを利用していました。作り方は,ソーセージとピーマン(パプリカだったかもしれません)をニンニクでしっかり炒めて,トマトソースを入れて煮込み,塩コショウで味付けした後に茹でたパスタを入れるなんちゃってナポリタンでした。チーズクリーム風パスタは,3種類だったか5種類だったかのチーズがペースト状になっているもの(瓶詰)を使って,最初にパンチェッタ(塩漬けの豚バラ肉で,サイコロ状にカットされたものがスーパーで売っています)をニンニクと一緒に炒めて,その後チーズソースを入れるのですが,それだけですと粘性が高いので,牛乳を混ぜながら(本当は生クリームを入れたかったのですが,スーパーで売っているのは少量のものがなく,また日持ちもしないので使用しませんでした),粘性(トロミ)を調整して,そこに茹でたパスタを入れて絡ませたものです。胡椒はいれますが,パンチェッタが結構塩辛いので,塩は加えませんでした。生卵を絡ませてカルボナーラ風にしたかったのですが,ちょっと怖かったので,生卵は和えないものとしました。このパスタ,妻と娘がパリに来た時作ったのですが,大絶賛してくれました。今でも娘はあのパスタを食べたいと時々言ってくれます。もともと,料理だけでなく何か作るのが好きなのと,作るからには自分の好みに合ったものにするようにしているので,それが美味しいと言ってくれた秘訣だったのかもしれません。