法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

成瀬ダムの見学(1日目)

 昨日,一昨日と秋田県の成瀬ダムに院生3人と一緒に見学に行ってきました。21日の7時56分発のはやぶさ103号に乗車して,北上(10時30分着)まで行き,現場の車で横手市の漆蔵資料館内の佐藤養助商店で稲庭うどんの昼食を頂きました。この時,研究室の卒業生で現在成瀬ダムに勤務しているM君と合流しました。その後,漆蔵の案内をしてもらい,稲庭うどんの歴史と歴代の佐藤養助(現在は八代目だそうです)の話を聞きました。折角なので,稲庭うどんをお土産に購入しました。漆蔵資料館を出てから30分ほどで東成瀬町のダムの工事事務所に到着しました。所長に挨拶してから,現場についてM君から簡単な説明を受けて,ダム現場に向かいました。工事事務所から現場まで約30分かかります。最初に国道沿いの一般の人たちが見学できる展望台で重ダンプが行き交う骨材製造ヤード(大成JV)を見た後,ダム堤体に向かいました。成瀬ダムは,国内最大級の台形CSG工法で施工されるダムで,堤高が114.5m(国内のCSG工法で施工されたダムで堤高において100mを超えたダムはありません),堤体長が755mあります。今年から堤体打設が始まったばかりで,現場は大規模造成工事を行っているような状況です。このダムの特徴は,もちろんCSG工法でのダム施工ですが,大きな目玉としては無人化施工での堤体構築になります。私たちが行った日も無人化(重機に人が乗っていない無人の状態で遠隔操作によって施工している)での施工が行われていました。実際には,レーンの端などはやはり無人での施工ができず,有人で行っているそうです。また,重機施工は冨島建設が行っているのですが,そのオペレータのほとんどがスリランカからの実習生で行っているとのことでした。この辺りにも土木事業のグローバル化が進んでいるのかなと思いました。私としては,ずっと現場でのCSGの施工を見ていたかったのですが,時間もあるので,次の無人化施工の管制室(操作室)に向かいました。操作室は,ここがダム現場なのかと思うような雰囲気でした(もちろん,そのよう部屋にしているのですが)。これからの土木の仕事のスタイルとなっていくような気がしました。ここにも私の研究室の卒業生のS君がいました。操作室にいる人たちは,ほとんど機電関係の人(情報系の人も含めて)で,土木の職員はS君一人ということでした。今後はダムのような土木現場であっても,土木だけでなく幅広い分野からの人材が集まって(むしろ土木の職員はほとんどいらないのかもしれません)工事を進めていくことになると思います。数十年後には,誰もいないような山の中で無人でダムが勝手にできていってしまうのではないかと思います(もちろん,工事状況を監視しながら)。自立型の電子頭脳を持ったAIたちが働いているという一昔前だったらSFの世界だったものが,現実になってきているような気がしました。この辺りの技術の進歩は,本当に加速度的に変化しているので,10年先でもほとんど予測できない状況なのではないでしょうか。操作室の下の階にはダム工事の状況がバーチャルでいろいろ体験できるところもあって,なかなか楽しい時間を過ごすことができました。あっという間に時間が過ぎて,初日の見学が終了しました。車で宿泊するホテルに連れて行ってもらい,夜は現場の方たちと会食(焼肉)をしました。ホテルのお風呂は強アルカリ泉(日本で三番目だそうです)で,ホテルに着いてすぐに入ったのですが,温泉自体少しヌルヌルしていたのですが,温泉から出ると肌がツルツルになっていました。翌日も現場の見学をしたのですが,そのあたりのことは次回書きたいと思います。