法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

卒論発表(1日目)

 今年度の卒業研究の審査が始まりした。昨日と今日の2日間の審査で,昨日約半分の学生の審査を終えました。今年度は,全てオンラインなので市ヶ谷のマルチメディア教室まで出校せずに,小金井の自分の研究室から審査しました。学科事務にオンラインでの審査の連絡がいっていなかったみたいで,教員,EA全員分の弁当を用意していたみたいなのですが,大半の教員は市ヶ谷に出校していなかったので,ほとんど余ったみたいです。もったいない話です。教室会議での議事録を確認するという意識がないようです。きっと今日も弁当沢山余ることでしょう。市ヶ谷にいる学生にでも配ってあげたらよいかと思います。

 さて,審査ですが私の研究室から1日目は3人が審査を受けました。元々私の研究室に配属となっていたI君は今年Y先生のところで卒業研究を行ったので,I君以外のAR君(極若材齢時のコンクリートの力学特性に関する研究),OGさん(電磁波出力画像を用いたコンクリート内部の欠陥評価の可能性の研究),OZ君(体積比表面積がコンクリートの乾燥収縮に及ぼす影響に関する研究)が審査を受けました。AR君の研究は,物性関連の研究を行っている他のT君とD君と合わせて一つの研究テーマとなっていて,彼の研究自体は比較的基礎的な内容となっています。私の研究室では,彼ら三人を“さんこいち”と呼んでいて,研究テーマを3つ合体して一つの研究テーマとなっているという意味と三人で一人前という意味の両方となっています。実際は,それぞれれっきとした研究テーマになっていますし,三人とも一生懸命取り組んでいたと思います。ただし,AR君の研究は,極若材齢時(材齢1日未満)での研究であることから,コンクリートの練混ぜ後12時間~24時間の間に強度試験を行わなければなりませんでした。しかしながら,このコロナ禍で徹夜の研究は禁止されていたので,練り混ぜ時間と強度試験の時間調整に苦慮して,予定していた実験の大半を実施しないまま審査を受けようとしていました。審査1週間前の発表練習でこのままでは研究成果が得られないと思っていたところ,大学院生のKさんからまだ審査まで時間があるのだから,今から練混ぜしたらよいといって,率先して練混ぜを行ってくれました。彼女のこの行動力には脱帽いたしました。私自身は,ほとんど諦めていて,あるデータでどうするかばかり考えていました。彼女の決断というか行動力は,感心するだけでなく,将来大物になる可能性を秘めていると思いました。現場では,常に即断即決が求められます。彼女は,その素養を十分備えているので,将来大現場の大所長になるのではないかと思っています。今から将来が楽しみです。

 OGさんの研究は,昨年度から始めた電磁波を利用した内部欠陥評価方法で,今年度は去年できなかった室内実験を中心としたものでした。ただし,こちらもコロナ禍の影響でスタートが遅れたために,測定のための供試体作製が遅れてしまい,当初目的としていた内容までできませんでした。そういう意味で消化不良の研究になってしまいました。次年度仕切り直しかなと思っています。次年度は機械学習による自動評価まで行えればと思っています。まあ,そうはいっても少ない時間でよく検討はしているので,この結果をうまく生かせればと思っています。OZ君は,途中でドロップアウト気味になってしまっていて,とりまとめが不十分でした。確かに何度か失敗してのやり直しをしましたが,最後は結構よい結果が得られていたので,もう少し頑張ればよい論文ができたと思うので,残念です。