法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

入試監督(その3)

 昨日の続きを書きます。例の受験生は,午後の試験でも監督者の説明が始まってからトイレに行ってよいかと言ってきたので,駄目だとも言えず行かせましたが,隣の受験生は本当にいい迷惑だったと思います。昨日も書きましたが,変な受験生というか,どうして受験するのだろうと思うようなのも大体毎年1人,2人みます。今回は,この受験生の他にチーフ監督が試験上の注意事項の話を始めているのに,机の上に日本史の教科書を出したままで,自分の鞄の中に手を突っ込んで一生懸命何かガサガサやっているのがいて,注意しようとしたら私の視線を感じたのか急いで教科書を鞄の中に入れたのですが,その後も鞄の中のものをいじっていたので,何かカンニングでもするのかと思い,その時間はずっとその受験生の手の動きなどを見ていました。結局,カンニングらしい行為はしなかったので良かったのですが,こういう紛らわしい行為は本当に疲れます。

 そういえば,試験場に向かう途中に,前を歩く監督者(二人とも事務方の女性で40代くらいだと思います)が話しているのを何となく聞いていたら,とんでもない内容でした。監督者の一人が「先週の入試で,新人君がカンニングしてるのを見つけて本部に報告したんだけど,彼すごく真面目で,私が試験中に両手を机の下に入れている子がいたら注意しなさいと言ったら,本当にそういう子を見つけたんだ。その受験生は,ひざ掛けとの間にスマホ隠していて,それを操作しているところを新人君が確認して,本部に連れて行ったらしいのよ。カンニングしてたのが,女子学生だからすごいよね。」と話すと,もう一人の監督者が「これで,試験全部駄目になるんだよね。確か他の入試も駄目だよね。他の大学は分からないけど,なんでカンニングなんかするんだろう。下手したら人生棒に振っちゃうじゃないの」などと話をしていました。こんな話をしながら試験場に向かう二人の後ろにいたものですから,ついつい怪しい動きをしている受験生に目が行ってしまいました。

 監督要領には,入試試験における苦情・トラブル事例集というのがあって,例えば監督者の服装が奇異,不潔感があるとか,靴音がうるさい,指を舐めながら解答用紙を配布していたとか(さすがに私もこれは嫌です),試験中居眠りをしていたとか,鼾をかいていたなど枚挙に暇がない位挙げられています。その中に,監督者がスクワットしていたというのがあって,もしかしたら私かなと思ったりしています。別にスクワットしたことはないですが,長時間ずっと立ったままでいると膝が痛くなるので,膝の屈伸をしていますが,それがスクワットだと言われているのかもしれません。ここ最近は,右膝の調子があまり良くなくて,特に長時間立ったままでいると腰から膝にかけて痛みが走ることがあります。そういう時は膝を曲げ伸ばしすると少しは楽になります。椅子に座ればよいのですが,今度は眠くなってきます。

 監督者は,試験中見回り以外何もするなと言っておきながら,足音がうるさいだの居眠りしていたなどと言われたら,何をしていたらよいか本当に途方に暮れてしまいます。一種の苦行としか言いようがありません。試験に集中していたら,周囲のことなど気にならない思うのですが,スクワットしているなどと苦情を書く輩は,問題に集中もできないで周囲ばかり見ていたのではないかと思います。

 受験生は,お客さんだと思いなさいとよく言われますが,現場に立つ教職員の身にもなってもらいたいものだと常々思っています。教職員に頼らずにもっとアウトソーシングすれば雇用機会が増やせるのではないでしょうか。

 入試監督も明日もう一回すれば,今年度はお役御免となります。明日も受験生に文句言われないように頑張らなければなりません。還暦過ぎた教員がする職務ではないと思いますが,これも大学教員の役目なのでしょう。粛々とこなしていくしかありません。