法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

陰で支える人たちは地味にスゴイ!

大学の教員になって大変だと思うことの一つに入試監督があります。特に,センター入試(今年度でなくなって,次年度から大学入学共通テストになります)は自分の大学を受験する学生だけではなく,また全国一律に行われる試験であり,その試験監督や試験を運営(見回りなど)など全て教職員で行わなければならないのです。一般入試は,自分の大学の受験生であり,学生アルバイトが準備や見回り,監督補助もしてくれます。また,センター入試は何のトラブルもないのが当たり前で,何かあったら大変なことになります(もちろん,一般入試でも同様ですが)。そのために,過剰と思われるほどの人員(外の見回りなどは非常に寒いので,3交代くらいで行っています)が準備されていますが,ほとんど何も起こらないので,試験本部などで手持無沙汰にしている教員や職員が多いのも事実です。もちろん待機している教員たちが走り回るような事態となったら大事です。その風景だけみた人がいれば,なんと無駄なことをしているのかと思うではないでしょうか。しかし,リスク回避のためには必要な人員なのです。私が学生だった時分,消防隊員や救急隊員の人たちは,出動する以外暇でしようがないのではと思っていたときがありました。今思うと大変失礼なことを考えていたと思います。出動の機会が少なければ少ないほど,街は平穏であるということです。もちろん,消防隊員や救急隊員の人たちはその間も訓練などをされているだろうし,何時も緊張感を持って待機されていると思います。プロ野球の抑えで出てくるピッチャーは,少ないときは数球で自分の役目を終わらせてしまうのです。それにもかかわらず,年俸の額も先発ピッチャーと大差ない選手までいます。投げている瞬間だけ捉えれば,何か不公平感があるのですが,登板までの間常に出られるように最高の状態に保っていなければならず,出る場面はとんでもないピンチのことだってあるわけで,その緊張感は何大抵ではないと思います。

 地震,台風などの災害発生時には,国や地方自治体の人たち,警察や消防,災害復旧時には自衛隊の人たちなど多くの人々が人命救助などに関わっています。また,通常においても多くのインフラを点検し,整備している人たちがいます。普段の生活が滞りなく送られるのもこの人たちのおかげなのです。決して華やかではなく,むしろ日々の点検などのメンテナンスは非常に地味な作業といえます。しかしながら,その地味な作業の積み重ねが災害時などで最小限の被害に食い止めているのです。我々は,地味にすごい人たちに支えられていることにもっと感謝の念をおくるべきであると思っています。