法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

がんばれ!ベアーズ

大学の教員になって何が良かったかというと,研究室に配属された学生が1年もしくは3年で大きく成長して巣立っていく姿と,何年かして社会で頑張っている姿や人から先生のところの卒業生,しっかりやっていますと言われることです。会社にいた頃は,我が子の成長を見るのが楽しみでしたが,大学に来てその何倍,何十倍も成長する姿が見られるというのは,教師冥利に尽きると言えます。特に,研究室に入ってきた時は,成績が下から数えたほうが早いような学生が,1年間でスゴイ研究成果を出して卒業していったときには,本当に涙が出るくらい嬉しいものです。よく,役者の世界で化けると言いますが,まさにその姿を目のあたりに見せてくれた学生がたくさんいました。特に,私の研究室は昨日も書いたように人気のない研究室なので,一時はストレートで上がってきた学生がほとんどいなくて,二留,三留はザラで,中には四留して後がない学生もちょくちょく入ってきました。大体,そういう学生には,ひたすらコンクリートを練らせて,結果を出させるようにしました。途中でドロップアウトしてしまう学生もいましたが,大体後がないのが分かっているので,必死になってというか意地になってコンクリート練っていたように思います。そういう学生は結構素晴らしい研究成果を上げてくれました。そんなことが続いて,私の研究室は再生工場といわれた時もありました。

 なんとなくですが,昔から人が成長していく姿を見るのが好きだったのかもしれません。そんなキッカケを与えてくれたのが,“がんばれ!ベアーズ(1976年公開,監督:マイケル・リッチー,出演:ウォルター・マッソーテイタム・オニールジャッキー・アール・ヘイリー,ビックモロー他)”という映画だったような気がします。その地区で最弱の野球チームをひょんなことからプールの清掃人バターメーカ(ウォルター・マッソー,実は元プロ野球選手だったのですが,落ちぶれてプールの清掃人になったという役)が議員だったかに頼まれて,面倒見ることになって,最初はボロボロだったチームが,アマンダ(テイタム・オニール)という天才少女を投手にして,ケリー(ジャッキー・アール・ヘイリー)という不良をチームの四番に入れて,その後はどんどん勝ち進んでいくという映画だったと思います。当時,テイタム・オニールが好きで,映画館に観に行って,その映画自体の面白さに引き込まれて,何回もその後観に行ったように記憶しています。続編も確かあったと思います。

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がんばれ!ベアーズ

 その後は,しばらくその手の映画を観ていなかったのですが,1997年にサントリーオレンジの初代なっちゃんだった田中麗奈のファンになって(その当時毎日,なっちゃん飲んでいた),その田中麗奈の初主演映画が“がんばっていきまっしょい(1998年公開,監督:磯村一路)”で,映画館に観に行って,めちゃくちゃ感動したのを覚えています。実話をもとにしたもので,松山の高校で,女子ボート部がないのであれば,自分でボート部を作ると宣言し,仲間を集めてボート部を創設し,最初は漕ぎ方も自分たちのボートも持てないような女子たちが,最初の大会で大負けして,一念発起して頑張って全国大会一歩手前まで行くというストーリーです。主演の悦ネエこと田中麗奈が途中でギックリ腰(私も先月やりまして,大変な思いをしました)になったり,貧血で倒れたりしながらも,メンバー一丸となって頑張る姿に心打たれたのを覚えています。初めてDVDを購入したのもこの映画でした。何十回も観たような気がします。やはり,この映画にも訳ありコーチが登場して(中島朋子),最初は嫌々ながらも彼女たちの熱意に絆されて,彼女たちを指導していく姿は,ウォルター・マッソーを思い出してしまいました。

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がんばっていきまっしょい

 極め付きは,やはり“スイングガールズ(2004年公開,監督は言わずと知れ矢口史靖監督です)”でしょう。ウォーターボーイズは男が主演だったので,観ていなかったこともあって,映画館での予告編で上野樹里が店のサックスに見惚れてガラスにおでこをぶつけるシーンを観た時に,絶対観に行くと決めて,初日に日比谷まで行って観た覚えがあります。これもひょんなことからジャズを始めることになって,全く吹くこともできなかった主人公たち(上野樹里貫地谷しほり本仮屋ユイカなど)がジャズの面白さ,演奏の楽しさを感じながら成長していく姿は感動モノでした。特に,最後の演奏会の場面において雪で遅れて演奏中止直前で会場にたどり着いて演奏する姿は涙腺崩壊ものでした。ここでも,曲者指導者として竹中直人さんが出演しています。あまりに面白くて,自分だけでなく,子供と子供の友達もつれて一緒に観に行ったくらいでした。当然,DVDを購入して何度も観ました。

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スイングガールズ

 この後も“シムソンズ(2006年公開,監督:佐藤祐市,出演:加藤ローサ藤井美菜星井七瀬(何代目かのなっちゃん),髙橋真唯他)”というカーリングを舞台にした映画で,憧れのカーリング選手に出会って,ほとんど素人同然の3人+1人(藤井美菜は天才的なカーリング選手だったけれど,仲間になじめないちょっと卑屈な役で,後に皆と打ち解けあっていく)でチームを結成するも,試合にもならない状態だったところから,またも訳あり指導者として大泉洋が登場して,どんどん強くなっていくというストーリーです。

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シムソンズ

 このほかにも“書道ガールズ(2010年公開,監督:猪俣隆一,出演:成海璃子山下リオ,桜庭みなみ,小島藤子高畑充希他)や最近ではチアダン(2017年公開,監督:河合勇人,出演:広瀬すず山崎紘菜中条あやみ他)など,枚挙に暇がないくらいです。

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書道ガールズ

 人が成長していく姿は,いつ見ても感動ものといえます。一心不乱に一つのことに立ち向かっていく姿に惚れ惚れします。映画ではそんな彼ら,彼女らの陰に必ず訳あり(というか曲者)指導者の存在がいます。私は,残念ながら訳あり指導者にはなれませんが,今年も新しく研究室に入ってくる学生たちの化ける姿を是非見たいと思っています。

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チアダン