法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

ナントでの国際会議

 今朝の新聞で,フランス西部のナントの大聖堂(サンピエールサンポール大聖堂(Cathedral of St Peter and St Paul))での火災の記事を読みました。放火の疑いがあるという何とも悲しい内容でした。火災と言えば昨年のノートルダム大聖堂の火災がまだ記憶に新しいので,同じフランスで歴史的建造物が焼失するのは胸が痛むばかりです。フランスのナントには,2014年7月に第7回のHealth Monitoringの国際会議で訪れたことがあります。当時社会人博士課程であった開発設計コンサルタントのN氏と大学院生だったU女史の3人でパリ→ナント→ロンドンという旅程で2つの学会(ロンドンでN氏が別の国際会議の発表があり,日程が近かったのでまとめてフランス,イギリスと行きました)に出席しました。

f:id:hoseiconcrete:20200719111450j:plain

遠方に見えるのがナントの大聖堂(正面から撮った写真が見つかりませんでした)

 最初にパリのシャルル・ド・ゴール空港に着いて,その後モンパルナス駅からタリス(Thalys,フランスの高速鉄道)に乗って,ナントまで行きました。U女史は,ポスターセッションでの発表でしたが,物怖じしないで質問してくる研究者に一生懸命説明していました。あまり人がいなかったので,通りかかった人にも彼女から話しかけるなどしている姿を見て,将来楽しみな子だなと思いました。実は,彼女の学外での最初の発表がオランダのデルフトでの若手研究者のセミナーで,その時も堂々とした発表姿に驚いたのを覚えています。国内で何回も発表していると私自身勘違いするほど(発表後に彼女に発表も何回もしていると慣れたものだねというと,卒論発表以外人前で発表したのはこれが最初ですと言われ,同行していたN氏(オランダにも一緒に参加)と驚いたのを覚えています)肝が据わっているというか,落ち着いていていました。

f:id:hoseiconcrete:20200719111603j:plain

ポスターセッションの様子

 このポスターセッションの時,私は体調を崩して途中で先にホテルに戻ったので,発表後に祝杯をあげることができず今でも悔やんでいます(この後,ロンドンにTGVで行ったのですが,なかなか体調が戻りませんでした)。彼女の発表した論文を以下に示します。

Mami UCHIDA, Junichiro NOJIMA, and Toshiaki MIZOBUCHI, Fundamental Study for Improvement of Estimation Accuracy Chloride Content Using Electromagnetic Wave Method, 7th European Workshop on Structural Health Monitoring, 2014.07

 ちなみに,N氏がロンドンで発表した論文が以下になります。

Jun-ichiro NOJIMA, Mami UCHIDA & Toshiaki MIZOBUCHI, BASIC STUDY FOR IMPROVEMENT OF ESTIMATION ACCURACY CONTENT OF CHLORIDE ION USING ELECTROMAGNETIC WAVES METHOD, Structural Faults and Repair, 2014.07

 二つともタイトルはほぼ同じで,U女史が概要説明で,N氏が測定原理を理論展開した内容となります。

 いずれも電磁波を用いた塩分量推定に関する研究で,N氏が社会人ドクターに来られたのと,学年トップだったU女史のコンビで一気に研究が進んだ時期であり,毎年のように国内外の学会に論文を出して,発表していた時期でした。

 ナントでの思い出といえば,お城を見たのとガレット(そば粉のクレープ)のおいしい店に行ったことなのですが,私が事前に日本でそのお店を調べていったのですが,私が調べたのが全く違った場所でN氏に調べ直してもらって,ようやくたどり着いて食べることができたことです(ガレット自体はとてもおいしかったのですが,ボリュームが凄くて,後で胸焼けしたのを覚えています)。でも,3人での海外出張はとても楽しいものでした。

f:id:hoseiconcrete:20200719111635j:plain

ナントの街,なかなか風情のある街並みでした(U女史が背中にポスターセッションに貼るポスターを持っています)

f:id:hoseiconcrete:20200719111820j:plain

ナントの街中にあるお城