法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

この橋の向こう(社会人編,初めての帰郷)

 柳沢教授への報告と研究室の訪問を終えた真理子は,週末実家に戻ることにします。親に自分の配属先を伝えていなかったことと,次の週からいよいよ仕事が始まるので,気持ちの切り替えも兼ねての里帰りでした。本当は,初任給をもらってから夏に帰るつもりだったのですが,忙しくて戻れない可能性もあるので,会えるときには会いに行こうと決めての帰郷でした(これが後々重要になってきます)。急に実家に戻ったので,家族全員びっくりしていましたが,皆真理子の顔が見れて嬉しそうでした。両親に配属先を伝えたところ,とりあえず内勤であるということで母親はホッとした表情となり,“いきなり,山奥の現場で訳の分からないおじさんたちの中で仕事しなくてよかった。まだ右も左もわからないでいきなり現場みたいな危険な仕事に就かなくて,お母さん本当に安心した”と真理子に伝えます(この時の母親のホッとした顔と真理子のこの人何もわかっていないというような表情を撮りたいと思います。何年経っても土木の仕事に偏見を持っているお母さんという設定なので,それが表情に出るような画にしたいと思います)。真理子は,困惑したような表情で母親に向かって“別に現場の仕事が危険ではないし,むしろ安全には人一倍注意して皆仕事しているんだよ。確かに,現場で作業している人の中にはいろいろいるのは間違いないと思うけれど,皆訳の分からない人たちばかりではないよ”と話をするのですが,母親は聞く耳持たないといった表情です。

 一方,父親は特に何も言わず二人の会話を聞いていました。しばらくして,ボソッと“真理子は,前から現場で仕事したいと言っていたよな。でも,お父さんは真理子の仕事のことはよく知らないが,建設の仕事っていうのは,現場で働くだけじゃダメなんだろう。図面作ったり,お金の算段をしたり,地元の人たちといろいろ折衝をしたりするんでゃないのか。設計の部署というのは,図面つくったりするところなんだろう。自分で書いた図面が実際に形になるっていうのはなんかわからないけれど,すごいとお父さんは思うよ。そんなところに行かせてもらえるなんて,真理子は幸せだよ”と話をしてくれました。柳沢教授,吉川さん,父と三者三様ですが,皆同じことを言っているように真理子には聞こえました。焦って,前のめりになっている真理子を諫めてくれるとともに,仕事のやりがいのようなものを3人とも真理子に伝えたかったのではないかと思えてきました。真理子は,いつも何も言わないけれど,お父さんはちゃんと私のこと見ていてくれるんだなと嬉しく思いました。

 弟は,初任給でたら何買ってくれるんだよというので,欲しいもの“考えておきな”と笑って答えるシーンを撮りたいと思います。両親にも初任給でたら何か欲しいものを買って送ると伝えると,母親は何がいいかしらと答え,父親は特にいらないから自分の好きなもの買ったらよいと答えます(何気ないシーンなのですが,こういうシーン大好きなんです)。

 夕食は,母親が張り切って食べきれないほどの御馳走がテーブルの上に載り,皆で楽しく食事します。父親と初めてゆっくりお酒を酌み交わしました。いつもは無口の父もお酒が入るほどに饒舌になって,真理子は何時結婚するんだとか好きな人がいるかなどを聞くシーンと酔いつぶれて寝てしまうシーン(お約束のシーンだと思います)は是非入れたいと思います。楽しい実家での2日間があっという間に過ぎて,真理子は東京に戻っていきます。今度は夏帰ってくるねといって別れるのですが,父親とはこれが最期の別れとなってしまうのは,その時真理子自身も家族もまだ知らないという設定にしたいと思います。あまり,悲しいシーンは入れたくないのですが,真理子の成長というステップアップのために試練の場面も入れたいと思っています。このあたりのことは,何れ書きたいと思います。