法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

研究倫理教育

 大学の研究開発センターから“研究倫理教育 (eAPRIN e-learning プログラム) を下記の要領で受講していただきますようお願いいたします。”という通知が6月にきていて,昨日までに受講しなければならなかったので,昨日は半日以上かけてe-learning(長いテキストを読んで,その後クイズと称して問題を解かせ,7部門全てで8割以上正解でないと修了させてくれない耐久性レースのような研修)を受講しました。コースは生命医科学系,理工系,人文系の3つに分かれていて,私は理工系のコースを受講しました。

 5年前に受講しているのですが,有効期間が5年だそうで今年再度受講しなければならなりませんでした。最初に書いたように結構時間がかかる(説明文では1部門あたり30分程度と書いてあるのですが,これをぶっ通しで行うと単純計算で210分,クイズに合格しないともっと時間がかかります)ので,時間の余裕があるときにでもやればよいと思っていました。しかしながら,7月は春学期の講義の試験問題作成と採点でほとんどの時間を取られてしまいました。試験問題は,通常の期末試験問題(オンライン用)と当日ネット環境などで受験できなかった学生のための追試問題の作成,4年生で期末試験に合格できなかった学生に対して追試を行うための問題作成を行ったので,結局3種類の期末試験問題(オンライン用)を作成しなければなりませんでした。追試問題は,全てボランティアなので,正直有料にしたいくらいです。また,例年のように紙媒体ではないので,採点するのに通常の数倍の時間がかかりました。平日,週末のほとんどこれらに時間をとられてしまい,とても半日以上かけて受講する時間を捻出することができませんでした。

 8月は,月末に対面で工学実験1の授業を行うだけなので,資料などの準備はしてあり,少し時間が取れると思っていました。しかしながら,以前書いたように小金井キャンパスでは夏休み期間中対面授業を行わないので,そのあおりを喰って対面授業ができなくなり,動画の作成,指導書の作成,データの作成(過去4~5年間のデータをもとに学生にレポートを書かせるためのデータ)を行わなければならず,8月もほとんど時間を捻出することができませんでした。受講期限が迫っているのは分かっていたのですが致し方ありませんでした。それでも,期限を破るわけにもいかず,昨日半日以上かけて受講し,無事修了することができました。このe-learningの面倒くさいところは,各部門のテキストがやたら長くて,どうでもよいこと(と私は思っています)を延々と書いていて,何がポイントかさっぱりわからない点です。そのくせ,クイズは結構細かなことを問うてきます。4択なのですが,4択目に上記の全てが当てはまるなんて選択肢まであって,問題文と解答をよく読まないと間違いとなり,再度クイズを受けなければならないのです。こんなことして何になるのかと思うような問題文に半日以上時間を割かなければならないのは相当ストレスが溜まります。さらに,研究開発センターからは,科研費採択者にコンプライアンスのための研修まで受けさせるのです。内容は研究倫理教育とほとんど被っているのですが,両方ちゃんと受講しなさいと連絡がきました。教員がどれだけ暇だと思っているのかと愚痴の一つ言いたくなります(なので,ここに書いています)。

 先日は,近距離出張の規定が変わったということで,70km以上の出張者は出張伺いを出しなさいと連絡が来ました。茅ケ崎での共同研究があって,明らかに70km超えていると思われる学生(測定などで学生を同行させています)は,伺いを出したのですが,全員がどのような経路で来るのかわからないので,自己申告制にしていたら,一人の学生は70km超えているので,伺いを出してくださいといわれ,出したら出したで名前が違っている(下の名前までいちいちこちらで確認していない)ので,再提出してくださいなどといってくるのです。おまけに生年月日まで記入してくださいという。さらに,出張したというエビデンスまで提出を求められるのです。slackでのやりとりを貼り付けて提出したら,それではエビデンスにならないと言ってくる始末です。これで学生に交通費が支払われなくなると大変なことになるので,相手先(委託者側)に無理言って,入退出の記録のコピーを送ってもらったり,作業報告書作成して署名捺印してもらったりしました。研究開発センターは,経理上必要なことですので,ご理解くださいといいますが,こちらがそのためにどれだけの時間を取られているのかといいたくなります。

 性悪説を基本とした対応(大学は,元々学生に対して性善説で対応しているですが,職員が教員に対して性悪説で臨まれると,教員も学生に対して性悪説で臨みたくなります)は,本当に人の心を蝕みます。一生懸命やっても,まるで犯人のような扱いされているのは,精神的にかなりきついです。この2ヶ月は本当に疲れた2ヶ月でした。