法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

ロボット・イン・ザ・ガーデン

 今朝,ニュースを見ていたら劇団四季がオリジナルストーリーとしてミュージカル仕立ての“ロボット・イン・ザ・ガーデン”を講演するとのことで,思わず妻に“ロボット・イン・ザ・ガーデン”のミュージカルやるよと叫んでしまいました。妻は“ロボット・イン・ザ・ガーデン”て何?と聞かれたので,私が以前読んだ文庫本ですごく面白かったんだよと内容のあらすじを話しました。それを聞いて,妻の友人で劇団四季のファンクラブに入っている人に連絡して,早速チケットを取ってもらう話をしていました。

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ロボット・イン。ザ・ガーデン

 ロボット・イン・ザ・ガーデンという小説は,日本で2016年に出版されたイギリスの作家デボラ・インストールさんのデビュー作です。書店でたまたま平積みされているのを見て,表紙の絵が可愛かったのと,タイトルが面白かったので購入しました。読み始めると主人公のベンのグウタラぶりと妻で弁護士のエイミー(ベンのお姉さんの弁護士事務所の仕事仲間で,ベンが一目ぼれした)のキャリアウーマンぶりの設定がまずは面白いと思いました。その後,エイミーが途中でベンに愛想をつかして出て行ってしまいます。そこに,ベンの家の庭に突然ロボットが現れるのです。昔のおもちゃのような風貌のロボットで,胸の前の扉がパカパカしていて,それをベンがガムテープで止めてやるところや,タング(ロボットの名前)が怒られたりすると,いじけてガムテープをいじるところなどの描写が私のツボにはまって,話にどんどん引き込まれていきました。タングの心臓部(とベンが思ったところ)が壊れていて,このままではタングが死んでしまうと思ったベンが,タングを直してもらうために,タングの持ち主(頭のおかしな科学者の設定となっています)を探しに世界旅行を始めることになります。ベン自体は,両親を事故で亡くして,その遺産で働かなくても生活できることから,何の希望もなく自堕落な生活となり,エイミーにも愛想をつかされてしまいます。ベンは,元々獣医になりたい夢を持っていて,タングとの旅行で色々な人と関わりを持つようになり,少しずつ人生の目標を見出していきます。タング自体の設定は,3歳児程度(と私は解釈しています)でわがまま言い放題で,それにベンが振り回されるのですが,そこがまた面白いところです。

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ロボット・イン・ザ・ハウス

 小説の設定は,そんなに遠くない近未来で,すでに家事や単純な労働にロボット(アンドロイド)が普通に従事している世界です。舞台は,作者が住んでいるところだと思いますが,イギリス南部の小さな町です(名前を忘れてしまいました)。物語の最後には妻とよりを戻して子供まで授かるのですが,そこから先は“ロボット・イン・ザ・ハウス”という続編に書かれています。“ロボット・イン・ガーデン”で頭のおかしな科学者からタングを取り戻して,家族の一員として迎え入れるのですが,続編では科学者がタングを取り戻すために新たなロボットを送り込んでくる話や,二人の間にできた女の子のポニーとお兄ちゃんとして頑張ろうとしてはいろいろ失敗するタングの話がすごく面白いです。さらに,その後の“ロボット・イン・ザ・スクール”は,ポニーが日本での幼稚園に行くようになって,タングも一緒に行きたいとせがみ,そこでいろいろ繰り広げられる話(タングが可愛がっていた猫が交通事故(ベンの行動が引き金になるのですが)で,ベンの必死の処置にも拘らず死んでしまうところとタングがベンを責めるところは,活字を追いながらも胸が張り裂けそうな思いになりました)で,一気に読んでしまいました。この9月には第4弾の“ロボット・イン・ザ・ファミリー”が出版されました。まだ,手に取っていないので,急いで買いにいかねばと思っています。本当にほのぼのしたファンタジー物語です。また,第3弾ではイギリスの教育制度の一端を知ることもできました。皆さんも機会があれば是非一度手に取って読んでみてください。この本のシリーズは,何気ない日常の大切さを教えてくれる本でもあります。

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ロボット・イン・ザ・スクール