法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

ゼミナール(その3)

 昨日は,学部3年生のゼミナールの日でした。3週間前に練り混ぜ試験を行って(私と院生はダムの視察に行っていて,技術嘱託のIさんにお願いました),その際作製した供試体の強度試験を行ってもらいました。13時に小金井の研究室に集合して,着替えてから実験室に向かいました。最初に,供試体の研磨方法を説明して,その後各自研磨を行ってもらいました。その後,供試体の寸法及び重量の測定を行ってもらいました。彼らは,まだノギスを使って測る方法を実地でやったことがないので,技術嘱託のIさんやTAのKさんに測り方を教わりながらなんとか圧縮強度試験用供試体各自2本,引張強度試験用供試体3本の測定を終えました。測定後,今度は各自に2000kNの万能試験機で割裂引張強度試験と圧縮強度試験を行ってもらいました。この一連の作業を技術嘱託のIさんとTAのKさん,学部4年生のD君とS君,3年生ですが(留年してしまったので),既に研究室に出入りしているW君が文字通り手取り足取りして教えていました。ここで,TAのKさんと4年生のD君の動きの違いに気が付きました。Kさんは,自分で何をやるのかしっかり頭に入っているので,動きに無駄がありませんが,D君は性格なのかもしれませんが落ち着きがなく,いつも何かを触っていて,動きに無駄が多いと感じました。また,Kさんは3年生が強度試験をしている間に,直接引張試験の段取り(供試体の測定,治具の取付のための準備や接着剤の準備など)を行っていると思ったら,自分が担当している乾燥収縮試験のデータチェックを行っていました。その後,3年生の強度試験が続いているのを確認して,学部4年生2人を引き連れて,骨材の搬入を自ら率先して行っていました。動いている姿が軽やかというか,運動をしていたためなのか,背筋が伸びていて落ち着きのないD君と対照的でした。もしかしたら,ジッとしているのが嫌なのかもしれません。それにしても,4年生への指示の仕方も的確で,これが4年生と大学院1年生の違いなのかなと思いました。

 引張強度試験,圧縮強度試験終了後,曲げ試験を行いました。万能試験機の治具取替えの間に,3年生には供試体の寸法測定と載荷位置のマーキングを行ってもらいしまた。治具の取替えもKさんがD君に指示しながら手際よく行っていました。私や技術嘱託のIさんの出る幕はないといった感じでした。曲げ供試体は,2本でしたのであっという間に終わりました。ここで,3年生には今日の試験結果をとりまとめるように話をし,来週のゼミナールの予定と集合時間,場所を伝えて解散としました。Kさんは3年生から前回の見学のレポート回収のために3年生と一緒に研究室に向かい,残った私と4年生のD君,3年生のW君とで治具を曲げから圧縮に取替えの作業をしました。今年は,コロナ禍のために3年生の工学実験1が対面でできなかったので,来年私の研究室に来る学生たちが練りも強度試験も全く見たこともやったこともないというのを避けるために,ゼミナールの時間を使ってこれら一連の実験を行うことにしています。3年生にとってもよい勉強になっているのではないかと思っています。また,あらためて4年生と院生のレベルというか経験値の違いを見ることができました。たかが1年,されど1年といったところでしょうか。今の4年生のS君が来年どれくらい変わっているのか,今から楽しみです。