法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

打出の小槌

 昨日は,例年恒例の打出の小槌の交換に歌舞伎座まで行ってきました。何年か前に子供が友達伝いで聞いた話で,歌舞伎座の打出の小槌を持っていると運が開ける(いろいろ願いが叶う)というもので,それだったら一度試しに買ってみようということになって,それ以降年末もしくは年明けに歌舞伎座に行くようになりました(私自身,何か願いが叶ったかどうか定かではありませんが)。今年は,いろいろ厄災が続いたので,その厄落としも兼ねて,小槌を交換することにしました。古い小槌はその場で引き取ってもらって,御焚上してもらえます。毎年,小槌の中に入れる口上が面白くてついつい聞き入ってしまいます。小槌(大きさは小指の先くらいの大きさです)の中にいろいろな縁起物を十種類(今年は一つ増えて十一種類)順番に口上を述べながら入れていきます。最初に入れるのは七福神の恵比寿様(七福神の中で唯一日本古来の神様です。金運財運の神様で,商売繁盛の神様でもあります。右手に釣竿,左手に鯛(おめでたい)を持っています),次に打出の小槌を持った大黒様(五穀豊穣の神様,恵比寿様が海(漁業)の神様で,大黒様が陸(農業)の神様になります)を入れます。この2つで家内安全,商売繁盛になるということです。次に瓢箪を6個入れます。六つ合わせて無病箪,無病息災になるということです。次に蛙を入れます。無事帰るという願いをかけたものです。次に入れる賽子は,どこに落としても目が出ることから,何をしてもちゃんとものになるということからきているようです。次に小判をいれます。これは,単純にお金に困らないように(不自由が無いように),またお金に恵まれますようにというものです。南天は(南天の実になぞらえて,赤珊瑚を入れます),難を転ずるという語呂合わせから来ていて,悪いものが近づかないように,また悪い出会いが無いようにというものです。次に入れる破魔矢は,魔を射る,厄を落とすという魔除けだそうです。狸は,他を抜くと書くそうです。蕎麦屋の前の狸の置物は,他の店より秀でている(美味しい)という意味だそうです。狸の腹が白いので,腹黒(裏表がある)ではないという意味もあるそうです。達磨,七転八起で,必ず良い方に起き上がるということだそうです。例年は,ここまで小槌に入れて,蓋をするのですが,今年はこれにアマビエが加わりました。厄病退散の意味で新しく加わったそうです。小槌の中は,神様から動物,妖怪まで入ったものとなり,どれも災いから守り,運が開けるものです。お願いするときは,小槌を右手で振らなくてはいけないそうです。入れる間にもいろいろ口上が加わって,なかなか面白いものです。昔は,七味唐辛子やガマの油,バナナのたたき売り(フーテンの寅さんに出てきます)など,口上を述べながらの露天商が結構あったのですが,今はそういうものもなくなってしまいました。

 打出の小槌を交換した後は,これも恒例となっている銀座にあるロシア料理を食べに行きました。昔は,渋谷にあったのですが,そこが閉店となって,今はこの銀座でお店を開いています。どれも美味しくて,年に何回か行っています。行ったのが昼間だったので,あまり飲みすぎないようにしましたが,美味しい料理を食べているとついついお酒が進んでしまいます。