法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

卒論提出

 本日,朝9時が卒業研究の本論及び概要集の提出期限でした。例年駆け込みでの提出が多いのですが,今年も似たような状況でした。毎年,年度初めに卒業研究について新4年生に心構えを話すのですが,分かったような顔をして全くわかっていないのが半分以上います。実験は失敗しても結果が出てきますが,いざその結果を基に考察しようとするとデータの不備や実験がいい加減でデータを落とし込んでみると特異点がいくつもあって考察できないというものが結構あります。実験を行ったらすぐに結果を整理して,データ自体に不備がないかどうかや手戻り(やり直し)があるのかどうかその場で判断できれば,やり直しもできますし,考察も書きやすいので,実験や計測を行ったらその日にデータ整理しなさいといいます。そういっても,大半の学生は残念ながら半年以上というか1年近く放っておいて,いざ本論を書こうとすると満足なデータになっていなくてアタフタ(大体私が指摘してどうするのかと問い詰めるまでしていません)しています。

 できる人間とできない人間(使い物にならない人間)の差というのは,私の主観ですが物事の優先順位がまずつけられないこと,期限を守らないこと,相手の要求に対する的確な対応ができないことではないかと思っています。頭の良し悪しというよりも,そのような思考回路が元々ないのかもしれません。育った環境なども影響するのかもしれませんが,常に楽をすることしか頭の中にない輩が往々にしてこのタイプに当てはまります。

 社会に出て,もう一つ問われることは時間を有効に使っているかどうか(特に最近の働き方改革は正にそれを地で言っているようなものです)ではないでしょうか。時は金なりという諺にもあるように,自分の勤務時間と勤務内容に対して施主は対価を支払っているので,時間を無駄にする人間,仕事ができない人間は容赦なく切り捨てられていきます。多くは自業自得なのですが,できない人間に限って色々言い訳や文句を言います。自分ができていないことを棚に上げて,いろいろな要求もしてきます。相手からみたら,そういう輩は,無視するか,重要な仕事から一切外すようになります。

 振り返って,学生をみてみると1時間でできる内容のものを,余分なおしゃべりやスマホで別に急いでみる必要のないものをみているなどして,何時まで経ってもできないでいるのをよく見かけます。大体,そういう輩はそれをやること自体面倒くさくなって後回しにしてしまいます。前述した優先順位がつけられず,最優先事項を後回しにして,結局期限を守ることができず,できない人間のレッテルを貼られてしまうことになるのです。以前にも書きましたが,相手の信頼を築くのには長い時間がかかりますが,その信用を失うのは一瞬です。一度できないというレッテルを貼られると,なかなかそのレッテルを剥がすことができなくなります。

 卒業研究では,自分で計画を立てて,それを自己管理しながら実行し,行き詰ったり,結果の解釈が困ったりしたときには臆せずに先輩や指導教員と相談することが大切です。これを期限内に行えば,きっと成果は自然とついてきますし,高い評価が得られます。楽しても何も生まれないということを早く気付いてくれればよいのですが,できない人間には難しいことなのかもしれません。今年度は,そういう輩を出さないようにしたつもりですが,結果はそうならなかったような気がします。それでも達成感を感じてくれた学生が多くいてくれたと思っています。