法政大学コンクリート材料研究室

法政大学コンクリートの活動報告

土木のヒーロー・ヒロイン

 土木の仕事は,個ではなく衆で行うものであり,自分の成果は明確ではなく,努力した割には対価が少ない職種といえます。はっきり言って,楽をして稼ぐことのできる仕事とは真逆のところにある職業ではないでしょうか。しかしながら,土木の仕事をよく知ってもらえば,どんな苦労もいとわないようなやりがいのある職業と思ってもらえるのではないかとも思っています。

 土木の仕事は,明治維新以降富国強兵の元に,欧米からいろいろなインフラの技術を導入して,鉄道建設や上下水道の整備,ダムの建設や道路整備などを行ってきました。そこには,これからの日本を変えていくのだという夢があり,それを実現していこうとした土木技術者たちがいました。それを見ていた人たちの多くは,土木技術者に対して敬意と尊敬,憧れを持ったのではないかと思います。

 それから150年以上経過した現代は,膨大なインフラストックの老朽化への対応に追われ,地球温暖化を防ぐために化石燃料に依存してきたエネルギーを再生可能エネルギーへと変換することが求められています。また,このまま少子高齢化が進めば,人口減少社会へ突入していくことから,それらを踏まえた新しい国土形成を効率的かつ迅速に行っていく必要があるのも事実です。このような時代の大変換期であるからこそ,明治以来の国の再構築の局面だということを国民全員が実感してくれるようになれば,土木はやりがいのある魅力ある仕事として再評価されることになると思っています。そのためにも,土木のことをよく知ってもらう必要があります。

 では,どのように知ってもらうのかというと,土木における憧れのヒーローやヒロインを生み出すことだと私は思っています。商業製品の多くは,商品開発を行う際,スポンサーからの依頼で商品に関わる多くのヒーローやヒロインが生み出されてきました。さらに,マスコミなどとタイアップしてテレビなどで露出を多くして,世間の注目を集めるようにもしてきました。今こそ,土木分野でも憧れのヒーローやヒロインを生み出すことが必要になってきていると思っています。

ど んなヒーローやヒロインにしていくかというと,スーパーマンのように普段は他の人たちと変わらない普通の生活を送っていますが,ひとたび災害やビッグプロジェクトがあると,作業服に着替えてどんな困難な作業にも立ち向かうという設定です。

 では,具体的にどうするのかといえば,映画やテレビドラマ,SNSを使った動画配信などのマスメディアを利用することです。世間のほとんどの人は土木の仕事が如何にすごいものなのか知らないのですから,それを世間に知らしめることが最初だと思っています。陰ながら人々の日々の生活を守っているのが土木の仕事であり,まさに土木技術者は世間の人々にとってヒーローやヒロインなのだと知ってもらうのです。そのためにも,今ブログで連載しているような土木の映画を是非製作すべきと思っています。半分妄想ですが,半分は実現したい夢だと思っています。そのためには,何をしたらよいのかは今のところ分かりませんが,準備だけはしておこうと思っています。